県立大1年、平岡都さん(19)の遺体遺棄事件を受けて21日、同大で開かれた「島根県犯罪のない安全で安心なまちづくり推進県民大会」(県や浜田市など主催)では、地域安全マップの考案者である小宮信夫・立正大教授が特別講演した。
小宮教授は「島根県の安全をどう守るか-『街と人』を犯罪に強くする方法-」と題し、講演。平岡さんがアルバイト先と大学の寮との往復に利用していたとみられる道を実際に歩いて感じた危険個所や改善方法などについても語った。
小宮教授は「犯罪は予測すれば防げる」と話し、犯罪の機会を与えないことで犯罪を予防しようとする「犯罪機会論」を紹介。「犯罪者は犯罪をするチャンス(機会)があるから犯罪を犯す。たとえ動機があっても、機会がなければできない」とし、「不審者」を探すのではなく、犯罪者が犯行を起こしやすい「場所」を見つけ、危険を避ける方法について説明した。
誰もが「入りやすく」かつ、誰からも「見えにくい場所」が危険であるとし、さらにゴミや落書きがある場所は、周囲が無関心な場所であり、犯罪者にとって「心理的に入りやすい場所」だと解説した。平岡さんが歩いたとされる道については、靴が発見された場所など何カ所も「入りやすく、見えにくい」場所があると指摘した。
さらに大会では、県防犯連合会から浜田市中学校長会に、市内の全女子中学生に行き渡るよう防犯ブザー800個が贈られた。
また、県と県警は大会に先立ち、「犯罪に強い社会の実現のための島根県民会議」を開催し、「身近な犯罪に強い社会の構築」など七つの重点課題を盛り込んだ治安対策「島根行動計画」を策定した。【上村里花】
2009年12月22日