日中関係の立て直し 課題に
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日中関係の立て直し 課題に

10月31日 4時12分 twitterでつぶやく

菅総理大臣は、ベトナムで行われたASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議など、一連の外交日程をこなし、31日帰国します。日中首脳会談を中国側が突然中止したことを受けて傷ついた日中関係を、どう立て直していくのか、課題となります。

焦点となっていた日中首脳会談は、ギリギリの交渉の結果、日中両政府が合意したものの、直前になって中国側が通信社の報道ぶりを理由に中止を伝えるという、異例な展開をたどりました。しかし、その翌日一転して東アジアサミットの前に、日中両首脳による「10分間の懇談」が成立しました。日中外交筋によりますと、温家宝首相が控え室にいた菅総理大臣に、自然な形で「首脳会談の中止は残念だった」と話しかけたということです。また温家宝首相は、民間交流の再開について時間を割いて話し、菅総理大臣との次回の会談に期待する考えを示したということです。今回の会談中止の通告は、尖閣諸島沖の中国漁船による衝突事件をきっかけに反日デモが相次ぐなど、中国の国内事情が背景にあったという見方が出ています。一方、首脳会談の中止が国際社会の中でどう受け止められたのかを、中国側も配慮せざるを得なくなり、突然の「懇談」が実現したという指摘もあります。政府は、来月予定されている胡錦涛国家主席の日本訪問に向けて、関係修復を急ぐ構えですが、今回深まった傷を埋めるのは中国側に責任があるという批判の声もあり、菅総理大臣と会談が行われるかどうかは、中国の出方しだいともいえます。