2010年10月31日5時0分
神戸市須磨区の路上で少年2人が暴行され死傷した事件で、殺人と殺人未遂の疑いで逮捕された無職松田智毅容疑者(22)=同区南落合3丁目=が、複数の友人に「妹を捜してほしい」と電話で依頼していたことが友人への取材でわかった。亡くなった釜谷圭祐さん(19)ら2人が中で倒れていた車のそばでは、20歳前後の男10〜20人が目撃されている。県警は松田容疑者が呼び出した可能性が高いとみて、当時の状況について集まった男らから事情を聴く。
須磨署捜査本部によると、松田容疑者は28日夜、専門学校生の妹(20)が帰ってこないと母親から相談され、妹の携帯電話に電話をかけるなどして居場所を捜し始めたという。
友人らによると、松田容疑者は自宅近くに住む複数の友人らに電話をかけ、「妹を捜してほしい」と頼んだ。午前2時ごろ電話を受けたという後輩の男子高校生は、知人に電話するなどして尋ねて回ったが見つけられずにいると、約10分後に再び松田容疑者から電話があった。松田容疑者は妹と一緒にいた釜谷さんの名前を挙げ、「知っているか」と尋ね、高校生は「知らない」と答えたという。
この高校生は取材に対し「松田容疑者は『妹の門限は午前0時』と言っていた。妹を大切に思っているのだと受け止めた」と語った。
捜査本部によると、司法解剖の結果、亡くなった釜谷さんの死因は外傷性くも膜下出血だった。頭部を中心に十数カ所の傷があったという。