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「新・人体の不思議展」取材記事

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現在、大阪の新梅田シティミュージアムで開かれている「新・人体の不思議展」に取材に行ってきました。

1996年に第1回目の「人体の不思議展」が大阪で開かれて以来、全国の主要都市で開催されました。そして現在は、大阪で第3回目の展示会がスタートしています。

この展覧会で驚いたことは・・・

● 展示されている標本(*プラストミック標本)167点が全て本物だということ。

●その大切な標本に触ることができるということ。全身標本16体のうち、半数に触ることができるのです。


普通では触ることができない内臓や脳、骨などに触れることにより、今まで自分の体の中にあるにもかかわらず、なぜか遠い存在だったこれらのものを身近に感じることができるのです。


喫煙者の肺と心臓 上肢の血管


また、癌に侵された肺や胃などの内臓、喫煙者の肺、クモ膜下出血した脳、肝硬変の状態にある肝臓や4ヶ月から10ヶ月の胎児の標本まで見ることができました。そして、脳の重さを持ち上げて、体感するコーナーもありました。


クモ膜下出血した脳


☆ 画像をクリックすると、大きな画像でご覧いただけます。



*プラストミック標本とは・・・

腐敗は自然界では、必ず起こってしまう過程です。さらに生物標本は普通の条件に放置すれば、ひどく収縮してしまいます。こうした腐敗・収縮をさける保存技術を開発することは解剖学者にとっては特に大切です。

プラトミック(プラスチックとアナトミックの複合語)は組織や器官、生物全体をできるだけ生きた状態に近い形で保存する方法です。色も実物の人体の色に近い状態で仕上がります。生物標本を真空下におき、シリコン・エポキシン・ポリエステル系統の樹脂をしみこませ、樹脂を重合させて固めます。

プラトミック標本は水分を含まず、乾いており、無臭で手で実際に扱うことが容易です。また、耐久性に優れ、半永久的に保存できます。しかも顕微鏡で見ても、表面の凹凸や細胞の構造がよく保たれていることがわかります。

尚、展示されている人体プラストミック標本は、すべて生前からの意志に基づく献体によって提供されたものです。


展示会では、展示品に触ることができないのが常識ですが、
「なぜ、触らせていただけるのでしょうか?」
「触っても標本は破損しないのでしょうか?」
主催者に伺ってみました。

最終更新者:上野 緑子 (更新日:2002年08月21日)

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