神戸の２人死傷　男逮捕「妹が連れ回されていると思い腹が立ち…」

　神戸市須磨区で車内から頭を殴られた血まみれの男性２人が見つかり、無職釜谷圭祐さん（１９）＝神戸市垂水区＝が死亡した事件で、須磨署捜査本部は３０日、殺人と殺人未遂の疑いで神戸市須磨区の無職松田智毅容疑者（２２）を逮捕した。

　捜査本部によると、釜谷さんらは事件前に松田容疑者の妹（２０）ら３人の女性と一緒に行動しており、同容疑者は「妹が連れ回されていると思い腹が立ち、数人で釜谷さんらを殴ったりけったりした」と供述している。

　捜査本部はほかの男数人からも事情を聴いているが、男らは「暴行していない」と話している。

　逮捕容疑は２９日午前３時すぎから同５時すぎまでの間、須磨区南落合３丁目の路上で、釜谷さんと専門学校生榊原諒さん（１９）＝兵庫県明石市＝の頭や顔を殴って釜谷さんを殺害し、榊原さんの頭蓋骨を折るなどのけがを負わせた疑い。榊原さんは意識不明の重体。

　司法解剖の結果、釜谷さんの死因は外傷性くも膜下出血。頭部に殴られたりけられたりしたあとが十数カ所あった。

　捜査本部によると、仲間の男２人とともに行動していた松田容疑者は２９日午前１時ごろ、明石市内で自分の妹と一緒にいた釜谷さんらを見つけ暴行。釜谷さんの車を仲間の１人に運転させて連れ回し、須磨区の現場まで連れて行った。

　血まみれで見つかった釜谷さんの車の中や周辺には多量の血痕が残っており、捜査本部は松田容疑者が車の周辺で２人に激しい暴行を加え、車に押し込んで逃走したとみている。

　松田容疑者と釜谷さんらに面識はなかった。同容疑者は２９日夜、母親（４６）に付き添われ須磨署に出頭。「ニュースを見てえらいことをしてしまったと思った」と話している。

[ 2010年10月30日 09:47 ]