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【プロ野球】沢村は巨人 単独指名にうれし涙2010年10月29日 紙面から
◇ドラフト201012球団最後の名前が呼ばれた瞬間、厳しい表情だった中大・沢村拓一投手(22)はニンマリと笑った。会議開始の直前に会見場入り。壇上ではひと言もしゃべらず、目の前のモニターを食い入るように見つめた。「巨人 沢村」と呼ばれても表情を変えず、その後は祈るように目をつぶった。結局巨人の単独指名。ホッとしたのか、あふれる涙を何度もぬぐった。 「本当に光栄。率直に心からうれしい。野球を始めた時からプロ野球選手になりたいと思い、(中大)OBの阿部さん、亀井さんが活躍している姿を見て、同じジャイアンツでプレーしたいと思っていた」。巨人が意中球団だったことを初めて口にした。 高校時代はエースではなく、ケガもあって最後の夏は外野手で終わった。だが、中大で元プロの高橋善正監督(66)と出会い、プロ意識を注入された。会見場で見守った父・伸一さん(54)は「中学、高校のころは甘い考えだったので、(大学での)自分に厳しい姿にびっくりしている」と感慨深げ。沢村自身も「監督に会わなければここまで来られなかった。監督には“ありがとう”という言葉しか見当たらない」と、恩師への思いを語った。 希望の背番号を聞かれると、「18番」ときっぱり。桑田真澄氏以来空いている巨人のエースナンバーを熱望した。「プロのスタートラインに立ったばかり。2ケタ勝てる投手になれるよう、もっともっと練習して準備をしたい」と、希望に胸を膨らませた。巨人の沢村といえば、伝説の沢村栄治投手だが、平成の沢村も、新時代のエースを目指して、これから走り出す。 (竹村和佳子)
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