「日本ハム・斎藤」１１・２０史上最大級お披露目

日本ハムが１位指名した早大・斎藤（左）と秋季キャンプのため沖縄入りした梨田監督 Photo By スポニチ

　日本ハムが、２８日のドラフト会議で交渉権を獲得したドラフト１位右腕、早大・斎藤佑樹投手（２２）ら新入団選手の入団会見を１１月２０日に札幌ドームで行うことが２９日、分かった。お披露目の舞台となるのはファンフェスティバルで、当日は４万人が集まる史上最大規模となる。斎藤は３０日に優勝を懸けて伝統の早慶戦に先発予定。梨田昌孝監督（５７）が「Ｖの使者」と期待する右腕は、４季ぶりの優勝を手土産に北の大地に乗り込む。

　ファン４万人が黄金ルーキーの門出を祝うことになった。斎藤は東京六大学のリーグ戦が終了していないため、入団交渉などの予定は決まっていないが、ファンへのお披露目に向けた準備は着々と進んでいる。山田ＧＭは「１１月２０日頃に新入団発表を行うので、それまでに契約をなんとかしないとね」と話した。

　球団では、入団発表の日時と場所について複数案検討してきたが、抜群の人気を誇る右腕の交渉権を獲得したこともあり、昨年初めて試みたファンフェスティバルとの同時開催を今季も行う方向で調整を始めた。

　昨年は２年ぶりのリーグ制覇の効果もあって超満員の４万２３１８人を集めた球団イベント。今季は５年ぶりにＣＳ進出を逃した影響も心配されたが、斎藤が入団すれば、昨年と同じように超満員になるのは確実だ。昨年、同じくファンフェスタで長野らの入団発表を東京ドームで行った巨人が４万３２８０人を集めたが、それに匹敵する大規模なものとなる。

　入団会見は別室で行われるが、その後はファンフェスティバルに飛び入り参加し、特設ステージで自己紹介を行うことになりそう。早大１年だった０７年には春季リーグＶを記念したパレード後に「わが早稲田大学野球部は一生勝ち続けます」とのマイクパフォーマンスを行った斎藤だけに、ファンにどんな「第一声」を発するかも注目だ。

　３０日からの秋季キャンプを前に沖縄入りした梨田監督もファンの気持ちを代弁した。「マー君が駒大苫小牧で北海道に優勝旗をもたらしたのと入れ替わるようにして斎藤佑樹がやってくる。今度はこの北の大地にリーグ優勝、そして日本一をもたらしてくれる気がする。ファンもそんな思いを描いている」と話し、「Ｖの使者」として期待を寄せた。

　日本ハムは右肩上がりだった本拠地主催試合の観客動員数が、今年は約１９４万人と前年から５万人減少した。そんな中、４球団の競合の末に引き当てた黄金ルーキー。２８日には上田文雄札幌市長が「ウエルカム、斎藤君」と声明を出すなど、街全体が歓迎ムードに包まれている。４年前の０６年夏、早実のエースとして斎藤は甲子園決勝で延長戦再試合の末に駒大苫小牧の全国３連覇を阻んだ。かつては北海道の憎まれ役だったが、来季からは道産子の声援を受けて斎藤が躍動する。

　≪稲葉“背中”「楽しみ」≫キャプテン稲葉が斎藤加入を歓迎した。「ローテーションにすぐ入れる投手だと思うし、後ろで守ってどういう“背中”なのか楽しみ」。来季から「斎藤フィーバー」が予想される中、チームにスムーズに溶け込めるよう配慮したいとの思いは強い。「分からないことはダルビッシュに聞けばいいし、投手とバッターの話をする機会があればバッター目線で話したい。注目されるが孤立させないようにしないとね」と心遣いを見せていた。 【ドラフト特集 　斎藤佑樹】

[ 2010年10月30日 ]