「プロ野球ドラフト会議」(28日、グランドプリンスホテル新高輪)
「プロ野球ドラフト会議 supported by TOSHIBA」が28日、東京都内のホテルで午後5時から行われた。1位入札で阪神など6球団が競合した大石達也投手(22)=早大=は、西武が交渉権を獲得。阪神は即戦力の社会人ナンバーワン左腕の榎田大樹投手(24)を1位指名した。2位では、夏の甲子園準優勝投手の一二三(ひふみ)慎太投手(18)=東海大相模=を指名。「投手で勝負したい」と意気込みを語った。なお、阪神は8人(育成3人を含む)を指名した。
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大阪出身の一二三は、まばゆいフラッシュを浴びながら地元・阪神からの2位指名を喜んだ。「本当にありがたいことです。うれしい気持ちでいっぱいです」。球団の印象を「熱狂的なファンの応援が印象的です。素晴らしい甲子園で野球をできることは、すごいことです。地元では応援していました」と語った。
指名は選手寮に隣接する門馬監督の自宅で知った。ドラフトのテレビ地上波中継が終わり寮から移動。監督と一緒にインターネット上の画面に、自身の名前を見つけた。相手は阪神。監督と握手を交わし喜んだ。阪神・中尾スカウトから電話で連絡を受けた。「指名は本当にありがとうございます」と感謝を口にした。
今夏の甲子園準優勝右腕。今春のセンバツで初戦敗退し、大スランプに陥った。それでもオーバースローからサイドスローに転向する荒療治で復活。チームを40年ぶりの夏決勝舞台に導いた。「すごく苦しんでも逃げずに耐えて、もっと練習しました。向上心や精神的なものは負けない」という自負がある。
その甲子園で本塁打を放ち、野手としての評価も高い。それでも「ピッチャーのこだわりは持っています」とキッパリ。あこがれの選手に、今季ルーキーながら4勝した秋山を挙げ「秋山選手のようなピッチングをして活躍したい」と、自身の未来を重ねた。
サイドスローとオーバースロー、どちらを選択するかは「まだ分からないです。甲子園に成長して戻ってこられて、サイドで失敗したわけじゃない」と結論は先延ばしにした。だが、会見に同席した門馬監督からは「まだ伸びる要素はたくさんある。球団の方に引き出していただければ」と能力に太鼓判を押された。
高校と同じタテジマユニホームでの地元がい旋。尊敬する高校の先輩、巨人・大田と対戦する夢も広がる。今も連日のジム通いを続け、肉体づくりに余念がない。「あこがれだけでプロに入るわけではない。生き残れる強い選手になります」と力強く宣言した。