日本にはインドと軍事同盟で発展する実力はない=中国人有識者

 中国網日本語版(チャイナネット)によると、新華社の軍事コメンテーター鄭文浩氏は「日本にはインドと軍事同盟で発展する実力はない」とする論評を発表した。以下は同論表より。

 インドはこのごろ、世界の各国の「お気に入り」となり、米国、ロシア、フランスの大統領は続けざまにインドを訪問している。そのほか、日本もインドに積極的に歩み寄り、10月25日には日本の菅直人首相とインドのマンモハン・シン首相が首相官邸で会談を行い、双方は向こう10年でグローバル・パートナーシップを強化することで合意した。

 インドが支持される背景には、「中国的要素」が存在することが考えられる。西側のあるメディアは、米国がインドを支援し、インドに大型の軍事設備を販売するのは、中国をけん制し均衡をとるためであることは明らかだとしている。また日本メディアは日本とインドの協力について、「中国台頭」に対応するためだと見ている。

 過剰な分析は、現代メディアに共通して見られる現象となっている。インドが西側の「中国包囲戦略」の主な要素になるかどうかは、世界の状況とインドの実力、意志を見る必要がある。

 2回の世界大戦から冷戦の終了まで、大国の覇権争いは多くが地政学の理論に従って繰り広げられてきた。陸地においては、世界の島であるユーラシア大陸を誰が支配したか、海洋においては、海上の主要ルートを誰が支配したかで決まった。

 しかし今は地政学の理論は効かなくなったとは言えないが、世界の構造は大きく変化している。冷戦はとっくに終わり、世界経済は融合し、世界情勢にはさらに多くの不確定性が存在する。金融危機にしてもテロリズムにしても、現在の安全問題が地政学の理論では十分に説明できないことを表している。過去に行われてきた武器の輸出で他国を支援し、相手を包囲したりけん制したりするやり方がどれほどの役目を果たせるかは、一つの疑問だ。

 インドに大量の武器を輸出しても、インドを武装させることにはならない。米国が冷戦後に西ドイツと日本を武装させ旧ソ連に対応したのは、主に両国の軍事工業を支援するためだった。しかし、現在のインドの軍事工業と当初の西ドイツ、日本を同等に考えるのは難しい。本質的に言えば、インドは工業国ではないからだ。さらに西側のあるアナリストが言うように、インドの調達額は巨額に思えるが、インドの効率は武器購入の流れを遅らせている。

 またインド自身も西側諸国の利益のために危険を冒す気はない。インドと日本の協力で、インドは日本の資金と生産技術に重視し、経済発展の原動力となり、より多くの人員を配備できることを期待している。日米同盟があるため、日本にはインドと軍事同盟においてさらに発展する実力はなく、気迫もない。米国については、インドのアントニー国防大臣は25日、オバマ米大統領はインド訪問中にインドといかなる軍事関係の協定も結ばないことを示唆した。インドの幹部は非常に冷静だと言える。(編集担当:米原裕子)

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