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ペニーオークションの本質は、新規参加自由なチキンレースだ

posted 2010-09-09 written by akiyan | このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク

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ペニーオークションとは

ペニーオークションと呼ばれるサービスがあります(日本ではポイントオークションと呼ばれることも多い)。ぱっと見は通常のオークションのように見えるのですが、通常のオークションと全く異なる性質のサービスです。以下に概要をまとめました。

  • 出品者はサービス提供元。
  • 1入札あたり、10〜70円程度の手数料が必要。
  • 入札額は決められた単位でしか上げることができない。1円、5円、10円など。100円の状態からいきなり1000円にすることはできない。
  • そのため、入札しすぎると、商品の定価より手数料の方が高くなってしまうことがある。
  • 1入札のたびに終了時間が数十秒伸びる。
  • オークションへの参加人数は、把握できない。

僕がこれまでに読んだペニーオークションの説明では、ギャンブル性が高く、いわば宝くじのようなものだ、と言われていました。入札回数を抑えて、運良く最後に入札した人だけが格安で商品を手に入れることができるので、なるほど宝くじという例えは的を射ていると思います。

ペニーオークションを真剣にやってみたら生半可ではなかった

最近、テレビCMをバンバン流しているDMMでも「DMMポイントオークション」というペニーオークションサービスが始まりました。DMMはポイントオークション以外でもポイントがもらえたりするので、無料でもらえるポイントをかきあつめて真剣にチャレンジしたところ、宝くじなんていう生やさしいものではありませんでした

DMM.com ポイントオークション
DMMポイントオークション

ペニーオークションはチキンレース

どういうことかというと「最後に入札すれば落札できる」というのはかなりポジティブな説明で、実際は「カネが原資の、チキンレース」なのが、ペニーオークションの本質だからです。

適当に終了時間が数十秒以内のオークションを開いてみます。大概は、2人が入札競争をしています。多いときは3,4人います。これだけを見ると参加者数は少なく感じるのですが、違います。この影に、入札争いをしている者同士の体力(手数料)が消耗するのを、今か今かと待ち構えている人がいるのです。チキンレースの参加予備軍です。その数は、知り得ることができません。

終了時間は入札の度に伸びます。入札競争が2人でも、数十分、長い時は1時間異常伸びることもあります。入札し続ける限りオークションの終了時間は伸びていくため、「永遠に残り20秒」なんてことが普通に起こります。実は残り時間に大した意味はなく、「20秒あたりをうろうろしている=入札競争中」ということがわかるだけです。実際にいつ終わるかはわかりません。

ペニーオークションにおける勝利は、「入札回数を抑えて、最後に入札した人が格安で商品を手に入れる」ことですが、それはかなり難しいことだったのです。

実際にやってみた感じ

実際やってみた感じは以下の通り。

  • 「これに決めた」
  • 「入札競争しているな、しばらく待とう」
  • 「そろそろかな」
  • 「よし行くぞ」
  • 「入札!」
  • 「あちらさんもやるね」(※1)
  • 「まだまだこっちもいくぜ!」
  • 「...いいかげん、諦めてよ!」
  • 「たのむよ...」
  • 「うわ、3人目来ちゃった」
  • 「とりあえず撤退」
  • 「そろそろ、いいかな」
  • 「入札!」
  • (※1) に戻る。

とある商品を狙ってずうっと眺めていると、3人目がどんどん現れて、延々半日以上以上続いてたりしました。合計入札回数は公開されているので、計算してみると、定価7万の商品に対して、最終的に参加者全員が投入した合計手数料は35万になっていました。なんということでしょう。思うに、「定価を大きく超えて手数料が投入されていれば、そろそろ新規参加者は現れないのではないか?」と、誰もが(僕も)浅はかに考えて、延々と新規参加者を招いてしまったのではないでしょうか。

僕は全員の合計手数料が10万くらいのところで無料ポイントが尽きたのですが、数時間監視して、入札競争を頑張ったあとだったので、テンションが上がって「ここまで頑張ったんだからポイント購入して挑戦してみようか」と考えたのですが、もし参加してたらすっからかんでした。まあ、定価の何倍以上も手数料が投入されることは珍しいのですが、実際あるのがペニーオークションの凄いところです。

もちろんサイト上ではこんなオークションよりも、少ない合計手数料で落札されたオークションが大々的に例として取り上げられているので、「ひょっとしたら格安で落札できるかも、できなくても、痛みは少なくて済むかも」と期待してしまうのが、上手いです。

入札するほど落札できなくなる?

オークションは、入札して落札額を釣り上げれば参加者が脱落していきますが、ペニーオークションではそうとは限りません。落札額の上昇幅は商品価格に対してとても小さいため、入札回数の目安程度の存在になっていることが多いです。落札額は、実際に落札できるかどうかにはほとんど影響しません。とにかく「最後のオークション参加者になること」だけが唯一の落札条件です。

実際にオークションへ入札すると、しばらくは自分と誰かの1対1の入札競争になります。そして、終了時間は自分と相手の入札によって際限なく伸びていきます。終了時間が伸びると、オークション自体の露出時間が伸びるため、新たな参加者が現れる確率が高まります。「入札競争を頑張れば頑張るほど、チキンレース新規参加者候補が現れる確率が上がり、そのぶん落札の期待値が下がる」のです。なんというジレンマでしょう。(入札競争した相手に勝つ確率は高まりますが)

新たな参加者に目をつけられたら、今度は自分が体力消耗を見届けられる側に回ります。参加されたら、体力消耗のぶんだけ不利なので、苦しい戦いになるでしょう。

落札できなかったとき、投入した手数料を商品購入に使えるサイトを利用すべき

ペニーオークションサイトの多くは、投入した手数料は全額返ってきません。ただ、DMMほかいくつかのサイトによっては、商品価格から投入した手数料のいくらかを値引きして購入することができます。格安で落札できなかった人への救済措置ですね。DMMは1入札あたり70円の中から50円の割り当てが可能です。例えば100回入札して7000円投入した場合、5000円の値引きになります。残りの2000円はいわば純粋な手数料でしょう。

手数料が使えるといっても、まず、本当に欲しいものじゃなければ買う意味はありません。定価もちゃんと確認しましょう。この定価なら手数料ぶん損してちょっと割高で購入することになってもいいかと思ったときだけ参加するのが、ベターです。

といっても、魅力的な価格で落札されているのを見てしまうと、大して欲しいものじゃなくても入札したくなるところが、なんとも人間心理です。落札できなくても、手数料自体が少なければまあいっか、とか思っちゃいますしねえ。

参加者同士は本当は戦いたくなんかない

ペニーオークションは参加者同士の戦いですが、参加者同士は本当なら競争なんてしたくないと思っています。しかし競争してくれないと出品者であるサービス提供元には十分な手数料が入らず赤字になってしまうので、巧みな仕掛けによって参加者同士が結託しないように競争を促すシステムを構築しています。

ペニーオークションはネット時代ならではのシステムです。これをネットを介せずにやろうとしても、どうしても参加者の数がばれてしまい、うまく競争してくれないでしょう。ネットだからこそ参加者が隠蔽され、後から後から参加者が現れるので、成立し得るのです。戦いたくなくても、戦うしかない。この仕組みを最初に考えた人は、本当に頭が良いと思います。

楽しむなら今のうち?

しかし、仕組み上はオークションとはいえ、ここまでギャンブル的だと心配になります。現時点では合法なことは確かだと思いますが。いつか規制が入るのではないでしょうか。楽しむなら今のうちかもしれませんね。

2010-09-09 10:30:23 | カテゴリー: 記事 | 固定リンク | 3 件のコメント » このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク

Twitterさん、OAuthのアクセス権限の細分化を!

posted 2010-09-07 written by akiyan | このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク

TwitterのOAuth認証を利用するサービスを作ってみたが...

一昨日の日曜日(9/5)に、クックパッドさんのオフィス提供による 『TFJ CodeCamp #2』 という1日開発合宿に行きまして、TwitterのOAuth認証を使ったサービスを初めて作ったんです。ユーザーのタイムラインを読んでいろいろやってくれるタイプのサービスを。で、実際OAuth認証するサービスを公開することを考えてみたんですが、どーにも無視できないリスクがありまして。

まず、TwitterのOAuth認証のアクセス権限レベルって、「全部のデータが読める」or「何でもできる」しかありません。今回のサービスはタイムラインさえ読めればいいのですが、OAuth認証としては全部のデータを読める要求しかできなくて、その認証をしてもらったならば、DM(Direct Message)も読み出し放題になっちゃうんですね。実際のDMの読み出しはとても簡単で、APIを1発ポンと呼び出すだけです。

DMを読める立場になんか立ちたくない

もちろんDMを勝手に読むことなんてしないんですけど、否が応にも読める立場に立ってしまうんです。そうなってしまうと、いくらやってなくても、やってるんじゃないかと疑われるリスクが発生しちゃうわけです。DMデータへアクセスしてないことの証明方法は今のところありません。また、自分が読まなくても、脆弱性やらなんやらでOAuth認証の結果を盗み出されて、悪用されちゃうかもしれない。(後者はそれなりに安全にする策はありますが、それなりに面倒)

アクセス権限を細分化してほしい

そもそもタイムラインだけを読み出せるアクセス権限があれば、こんな心配をする必要はなくなります。具体的には、Twitter側がOAuth認証のアクセス権限を細分化することです。

ほんと、このリスクは不可避なんで、Twitterさんには切にお願いしたく、エントリにしました。

以上、よろしくお願いします!

2010-09-07 14:02:30 | カテゴリー: 記事 | 固定リンク | 8 件のコメント » このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク

1日限定のミクカフェをチラ見してきた

posted 2010-08-31 written by akiyan | このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク

本日、初音ミクの誕生日である8月31日限定で渋谷シアターTSUTAYAで開かれているミクカフェをチラ見してきました。記事末尾に動画もありますよ。

8月31日限定 ミクカフェ_1283223557082
公式ページ。

ミクカフェ
渋谷シアターTSUTAYA。

ミクカフェ
整理券を持った人たちが次の入場の列を作っていました。

ミクカフェ
店頭POP。

ミクカフェ
整理券。AM11時頃に行った時点で、14:00の回の整理券を配っていました。僕は残念ながら行けそうにありません...。

ミクカフェ
メイコさんが受付をしていました。スタイルいいなー。

ミクカフェ
カイト、リン、レン、ルカもいましたよ。


受付の様子の動画です。

ちなみにTwitCastingで生放送しようとしましたが、電波が入らず断念しました...。

追記

 8月31日は初音ミクの誕生日!ミクカフェに行ってきた件について にて会場内やコスプレイヤーさんの写真が多数アップされていましたのでぜひどうぞ。

2010-08-31 12:17:21 | カテゴリー: 記事 | 固定リンク | 1 件のコメント » このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク