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2010/10/10

「新型うつ」を批判する某フリー・ジャーナリストU氏の「甘え」(1)

以前この「愛と苦悩の日記」で、自らうつ病患者として、うつ病についての著書を多数書いているフリージャーナリストのU氏を徹底批判した。

その時のやりとりの不毛さと、その後U氏がTwitter(ツイッター)で、女性看護師を医師の性玩具呼ばわりするという、明らかに議論の展開のさせ方として不適切なセンセーショナリズムを見て、まともに批判する価値のない著者だと分かった。なので、あえて名前は出さず、イニシャルだけで書くことにする。

日本社会のうつ病観に対するU氏の批判の要旨は、「うつ病患者を社会全体が甘やかすことは、かえってうつ病患者の治療への主体性を損なう」というものだ。

にもかかわらずU氏は、僕のU氏の著作に対する批判に、「あなたみたいに高学歴ではないので理解できません」と書き残して逃げ去った。これを、うつ病患者の「甘え」「無責任」と言わずして何と言おうか。

ただ、今日、氏の最新著書と、少し以前の著書を書店で立ち読みして、やはりU氏はうつ病の本の書き手としてふさわしくないと確信した。

新著でU氏は、前著よりもいっそう激しく香山リカのうつ病についての著書を批判している。そして香山リカはうつ病患者を甘やかす社会の後押しをすることで、かえってうつ病患者が自主的に治る機会を奪っている、と。

U氏は新著で、「新型うつ」と呼ばれるうつ病は、単なる甘え・逃避だとバッサリ切り捨てる。「新型うつ」の患者とされている人々を、会社や病院はうつ病患者として扱う必要は全くないと言い切っている。

しかし、少し以前の著書で、U氏と精神科医が対談している中で、U氏は自身のうつ病の病歴を告白しているが、それを読むと、「俺はうつ病でありながらこれだけ頑張ってるんだから、世の中の全てのうつ病患者も同じくらい頑張るべきだ」としか読めない。

そしてU氏の「社会はうつ病患者を甘やかすな。うつ病患者は社会に甘えるな」という批判は、単に、U氏個人がクリアできているレベル、例えば「他人との約束をドタキャンしない」などを、勝手に他のうつ病患者に押し付けているだけだ、ということが分かる。

少し以前の著書で、U氏は飛行機の搭乗中にパニック障害の発作を起こし、客室乗務員に水を頼んだのに、ミネラルウォーターを売りつけようとしたことに激怒している。(実際にはその客室乗務員は、急病人のために別に用意されている水をすすめているのだが、何故かU氏はそれを断っている)

そしてあろうことか、U氏はコップ一杯の水を断られただけのことで、その後もネチネチと航空会社にクレームをつけ続け、最後は航空会社を監督しているお役所に、航空会社の指導を依頼することまでやっている。

普通に考えれば、U氏はかなり悪質なクレーマーである。そして、ここまで悪質なクレーマーになってしまう理由は、おそらくU氏がうつ病患者だからだ。

つまり、U氏は自分がうつ病患者であることに「甘えて」、たったコップ一杯の水を出さなかったくらいのことで、航空会社や監督官庁まで巻き込んで大騒ぎしたのだ。

どうやらU氏自身の基準によれば、これは「うつ病患者の社会に対する甘え」のうちには入らず、パニック障害患者ゆえの、やむを得ない状況ということになるらしい。

しかし、このようにU氏個人の価値観で、どこまでが「甘え」にならず、どこからが「甘え」になるのか、勝手に線引きされたのでは、他のうつ病患者はたまったものではない。

はっきり言って、他のうつ病患者はU氏に対して、「あんたみたいな、単なる一うつ病患者に、うつ病患者全員の、甘えと甘えでない行動の境界線を決めてもらいたくないよ!!」と言いたくなるだろう。

ところがU氏は、自分が勝手に引いた線を、世の中のすべてのうつ病患者に押し付けている自覚が全くない。こうした、個人的見解を勝手に社会全体に拡大解釈してしまうことに対する無自覚は、ジャーナリストとして致命的だ。

やはりU氏の言説や著書は、全くうつ病論として存在価値はないと言わざるを得ない。U氏は自分の能力の限界を認識し、あくまで個人史として、自分のうつ病の病歴を語る書き方に変えるべきだ。

ただ、おそらくこの文章についても、U氏は「あなたのような高学歴でないので理解できませんでした」と、自分の学歴に「甘え」て逃げていくのだろう。

うつ病を口実にした「甘え」は許されないが、低学歴を口実にした「甘え」は許されるとでも言うのだろうか。

U氏が、うつ病に「甘え」ることは許されず、自ら治療する意思を持たなければいけないと主張するなら、低学歴に「甘え」ることなく、自ら論理的思考力を磨く努力をされたらどうなのか。

自分の都合のいい部分については、他者(うつ病に「甘え」ているうつ病患者)を容赦なく批判し、自分に都合の悪い部分については、自分で「甘え」てしまっている。

全く、どうしようもない書き手である。

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