上野玲氏(『うつは薬では治らない』著者)自ら「患者化」している件
上野玲氏は、ツイッターで捨てぜりふを残し、逃亡したままだ。まさに著書『うつは薬では治らない』(文春新書)で上野玲氏が批判している「患者化」を自ら実行されている。
本書で上野玲氏が言う「患者化」とは、自分がうつ病患者であることを言い訳にして、いろいろな責任から逃れること。
前回も書いたように、上野玲氏は僕の『うつは薬では治らない』に対する批判を、読んだ上でならまだ分かるけれども、「読みません」と堂々と宣言して逃げ出した。同業者から見れば、風上にもおけない人物だろう。
くり返しになるが、僕は上野玲氏の「患者化」の考え方に反対だ。
うつ病の患者は、逆に、いろいろな責任からのがれて、十分な休養を取らなければ軽快せず、いたずらに症状を長引かせるだけである。
一般の会社員だと、最悪の場合、就業規則で決められた休職期間を超えてしまい、自己都合退職あつかいさせられ、失業する。
これは、自殺へつながりかねない最悪のシナリオだが、上野玲氏はあろうことか、こういうシナリオをうつ病患者にすすめているのである。
もう一つ、上野玲氏の物書きとしての致命的な欠点は、僕に対して「東大卒しか誇れるものがないという現実にご同情申し上げます」をいう捨てぜりふを、ツイッターに残して、逃げ出した点。
つまり、上野玲氏は、高学歴の人間に対して、明らかに冷静な評価ができない物書きであるというボロを出してしまっている。
そこで思い出すのが、『うつは薬では治らない』の中のSSRI批判だ。上野玲氏は、SSRIという新しい抗うつ薬は、医者と製薬会社が結託して金儲けをしているだけだ。うつ病患者に、まずSSRIを処方するのは間違いだと批判している。
ところで、SSRIを発売している大手製薬会社の会社員も、医者も、どちらも高学歴の人間だ。僕の通っていた6年一貫の進学校の同窓生には、医者がたくさんいる。
上野玲氏のSSRI批判は、僕のような高学歴の人間に対する、単なる個人的なうらみつらみの吐き出しだと取られても仕方ないだろう。僕に対する上野玲氏のツイッター上での捨てぜりふが、その何よりの証拠だ。
ところで、僕には東大卒以外にも誇れるものはいくつもある。というより、単なる平社員である僕にとって、東大卒なんて二十年前の思い出にすぎない。
その頃は話せたフランス語も全く話せない。その頃は理解できた本も、今では全く理解できない。現時点の僕にとって、東大卒など誇りにも何もならない。
逆に、例えば、この「愛と苦悩の日記」に一定数の固定ファンがいらっしゃること。
大学時代には勉強しようとも思わなかった中国語を勉強したおかげで、中国の百度の掲示板上で、中国大陸のネット友達と、中国語で交流できること。
第一興商の「全日本カラオケグランプリ」関西大会に出場できたことなど、下らないことも含めて、ささやだけれど誇れるものがいくつもある。
そんな僕に向かって、「東大卒しか誇れるものがないという現実にご同情申し上げます」という評価しか下せない上野玲氏は、高学歴の人間に対する偏見にみちみちている。
したがって、あらためて上野玲氏『うつは薬では治らない』は、読む価値のない本だと言える。
※関連記事:
「上野玲『うつは薬では治らない』(文春新書)は読む価値ナシ(1)」
「上野玲『うつは薬では治らない』(文春新書)は読む価値ナシ(2)」
「上野玲氏(『うつは薬では治らない』の著者)からの驚くべき返信」
何が「病気」で何が「健康」かは社会の要求水準による
「新型うつ」を批判する某フリー・ジャーナリストU氏の「甘え」(1)
「新型うつ」を批判する某フリー・ジャーナリストU氏の「甘え」(2)
| 固定リンク
|
「書籍」カテゴリの記事
- 上野玲氏(『うつは薬では治らない』著者)自ら「患者化」している件(2010.07.07)
- 上野玲氏(『うつは薬では治らない』の著者)からの驚くべき返信(2010.07.03)
- 上野玲『うつは薬では治らない』(文春新書)の主張に疑問(2)(2010.07.03)
- 上野玲『うつは薬では治らない』(文春新書)の主張に疑問(1)(2010.05.22)
- 「新型うつ」を批判する某フリー・ジャーナリストU氏の「甘え」(2)(2010.10.11)