社会

志賀2号機差し止め訴訟 住民側の上告棄却
(石川県)
志賀原子力発電所2号機の運転差し止め訴訟で、最高裁判所は28日付で、住民側の上告を退けた。提訴から11年。これにより、運転を認める判決が確定した。

この裁判は1999年、原発に反対する地元の住民らが、志賀2号機の耐震性などに不備があるとして、運転差し止めを求める訴えを起こしていたもの。一審の金沢地裁は2006年、国内の商業用の原発では初めて、運転の差し止めを命じた。しかし、二審の名古屋高裁金沢支部は去年、一審の後に改定された国の耐震指針は妥当だとして、一審判決を破棄し、運転を容認した。その後、原告側はこの判決を不服として上告していたが、最高裁の第1小法廷は、28日付で上告を退け、上告審として受理しない決定をし、住民側の敗訴が確定した。この決定を受け、原告側・志賀原発訴訟原告団の多名賀哲也事務局長は、「(一審は)地震と原発との深刻な関係を直視して運転差し止めと言う判決を下した。その意味を最高裁は受け止めていないのは残念だし、心の底から怒りを覚える」「国の原子力政策に追随しているだけではないか」とコメントしている。一方、勝訴が確定した北陸電力側の久和進社長は、「2号機の耐震安全性について、最新の科学的・専門的知見に基づいて十分に主張、立証してきたことが勝訴につながったと考えている」とコメントしている。北陸電力では今後も引き続き、安全の確保を最優先に、安全・安定運転に全力で取り組むとしている。
[ 10/29 21:09 テレビ金沢]