東京ガールズコレクションを運営する株式会社ゼイヴェル改め、株式会社ブランディングの豪華な冊子?(ちゃんと背表紙つきで単なる広報冊子とは一線を画すクオリティなんですが)が会社にあったんで目を通してみました。
パリのコレットでも販売されるらしく、見るからに重厚で装丁も中身も手の込んだつくりでした。
そして、何よりすごいと思ったのが作り手の意識。欧米の保守本流のモードの世界から自分たちがどのように見られていて、彼らが自分たちに何を望んでいるのか? 何をすれば彼らの興味を惹くことができるのか? それを完璧に把握してる人間の仕事だということがひと目でわかりました。
具体的な中身ですが、大浜社長のインタビューとTGCの風景やブランディング社内の写真がメインで、東京のリアルクローズとはなんぞや?的な説明や主要ブランドの紹介はおろか、ショーの概要についても一切説明なし。一企業の冊子というよりも「東京のリアルクローズ=JJ、Cancam周辺の赤文字雑誌文化」の最大公約数的なイメージを伝えるためだけの媒体になっています。
これは非常にクレバーな見せ方ですね。欧米のモードから見て東京のリアルクローズが「キッチュでモンドなファッションカルチャー」にしか映らないという事実を理解して受け入れている人間の仕事です。
だから
「従来のファッションショーではあり得ない大会場で、過剰なまでにショーアップされたランウェイを闊歩するモデルと、それを見て熱狂する何万人の観衆」
という、欧米人の欲しがる絵を的確に抽出して、そのイメージを伝えることに成功しています。
「極東の小国でゴスロリに続くキッチュでおもしろいノリのファッションが流行ってるぞ!」
という、モードの世界からの半ば珍獣を見るような好奇の視線に晒されることもいとわない、すべてを見越した決意がなければこんなことはできません。
冊子内のインタビューでは「モードに対峙する東京のリアルクローズを打ち出す」なんて意気込んでますが、これは完全に村上隆の「オタク文化こそが日本文化の正当な継承者である!」並みのリップサービスです。馬鹿の機嫌を損ねないための二枚舌です。真に受けてはダメです。
2008年10月21日
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最近つまらなかったから心配してました
まさか、あのラッシャー板前さんからコメントがいただけるなんて(へ_へ)♪
Cancamのエビちゃん卒業号はどこ行っても売り切れですね。