東京大学医科学研究所が開発したがんペプチドワクチンを使った付属病院の臨床試験で起きた有害事象が、ペプチドの提供先である他の医療機関に伝えられていなかったと報じた15、16日付朝日新聞朝刊の記事に関し、中村祐輔・東大医科研教授は代理人の弁護士を通じて、「一連の報道は重大な人権侵害」だとする通知書を、27日付で朝日新聞社の秋山耿太郎社長あてに送った。
通知書では「記事には基本的な医学的知識ないし表現の誤りや基本的な事実に関する事実誤認が含まれている」などとして、事実関係や取材経緯について検証を行い、その結果を明らかにするよう求めている。
■朝日新聞社広報部の話 当該記事は、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から問題があることを、東大医科研病院の事例を通じて指摘したもので、確かな取材に基づいています。