県町村会を巡る汚職事件で有罪判決を受けた同県添田町の前町長、山本文男被告(84)が町社会福祉協議会の会長職にとどまっている問題で、町は26日、県保健医療介護部の担当者と協議した。県側は「判決確定後も在職すれば違法状態になる」との認識を示し、関係者は解任の可能性を示唆した。山本被告は進退について依然結論を出していない。
介護保険法や社会福祉法は、執行猶予中を含め禁固以上の刑に処せられた場合、介護保険事業者に指定されず社協理事の資格を失うとしている。山本被告への判決は懲役1年、執行猶予3年で抵触し、県のデイサービス事業者指定が取り消される恐れが出ている。
協議では、改めて法解釈に変更がないことを確認。県側は、社協を監督する町が違法状態を招かないよう指導すべきだと指摘したという。
一方、山本被告は同日、社協事務局に対し「今日は会わない」と電話しただけ。いつ進退の結論を出すのか、めどは立っていない。
県介護保険課によると、デイサービス事業の継続には、新会長選任と県への届け出が必要。理事の1人は「会長が退任に応じなければ、臨時理事会を開き、収拾を図る必要があるかもしれない」と解任の可能性もあると述べた。【林田雅浩】
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■今日のことば
社会福祉事業法に基づき、都道府県、市町村ごとに設置。関係機関や団体との連絡調整、調査研究など社会福祉の促進を図ることが主目的の民間組織だが、自治体からの補助金や職員の派遣など公共性は高い。首長などが会長を兼務しているところもある。
〔筑豊版〕
毎日新聞 2010年10月27日 地方版