後継者問題:正恩氏と正男氏、顔を合わせたことがない!?

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男・正男(ジョンナム)氏と三男・正恩(ジョンウン)氏の兄弟は、実際に会ったことはほとんどないことが分かった。

 韓国政府の消息筋は28日、「正男氏と正恩氏の海外滞在期間や各種情報などを総合したところ、異母兄弟の二人は、顔を合わせたことがほとんどないとみられる」と語った。消息筋によると、正男氏(1971年生まれ)は、正恩氏が生まれたとき(83年または84年)スイスのジュネーブにあるインターナショナルスクールに通っていたという。正男氏は、80年に母親の成恵琳(ソン・ヘリム)氏(2002年に死去)に付いてモスクワに渡った後、80年代末まで旧ソ連やスイスなどで過ごした。87年から01年まで金総書記の料理人を務めた藤本健二氏は最近、インタビューを受けた際、「金正男氏を見たことはない」と語った。藤本氏は、母親(高英姫〈コ・ヨンヒ〉氏)が同じ次男・正哲(ジョンチョル)氏、三男・正恩氏兄弟と共に生活し、金総書記が好んだというすしを作った。一方、正恩氏も93年から98年まで、スイスのベルンにあるインターナショナルスクールに通っていたという。正男氏の場合、01年に偽造旅券を使って日本に入国しようとして摘発された後、事実上平壌を追放され、マカオや北京など転々としている。

 対北消息筋は、「08年8月に金総書記が脳卒中で倒れ、正男氏が平壌に帰ったとき、正男氏・正哲氏・正恩氏が一堂に会するかどうか注目した。しかし当時、正恩氏は元山の招待所(金総書記の別荘)、正哲氏は平壌近郊(江東郡と推定)の招待所にそれぞれ滞在しており、正男氏とは会わなかったようだ」と語った。さらにこの消息筋は、「正男氏と正恩氏との間に、兄弟の情のようなものはない。金総書記が死去すれば、この兄弟の間で何が起こるか分からない」と述べた。

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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