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【それでも撲滅できないのか】(4)怒鳴りながら父は娘を殴った…文学に現れたる虐待の近現代史 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:児童虐待を考える
広がる暴力禁止
9歳を頭に4人の子供を育てる主婦、塩見純子さん(38)=仮名=は九州地方で過ごした少女時代、実母からしつけと称する身体的虐待を受けて育った。
「両親は口で言うよりたたいたほうが早いと、私に体罰を推奨するような人たちだった。
私自身、子供を持った当初は体罰を当たり前だと思っていた。しつけと称して子供に八つ当たりしたことも何度もあった」
塩見さんは子供に手を出した後、幼かったころの自分を思いだして罪悪感にかられたという。「両親からは育児は学べないと思い、育児書やインターネットで勉強した。『しかる』と『怒る』の違いも知った」
世界では今、体罰をはじめ子供への暴力を法的に禁じる国が増えている。
NPO法人「子どもすこやかサポートネット」(東京)の田沢茂之代表理事(43)によると、1979年にスウェーデンで子供への暴力を禁じた「育児と保護責任法」ができたのを皮切りに、欧州や中南米、アフリカなど現在29カ国で立法化され、二十数カ国で議論されている。2000年代に入り急増した。
スウェーデンで大学などが行った調査によれば、体罰に頼る親は1960年代の95%から70年代は50%、80年代35%、90年代20%と減り続け、2000年代は12%になったという。
子供への暴力を法的に拘束することで、身体的虐待は確実に減ることを示している。
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