西日本最大のレストランゾーン
シネコンも入る「ノースゲートビルディング」

 新たに建設されたノースゲートビルディングは、ヨドバシカメラマルティメディア梅田と向き合う形。貨物ヤードが広がり、これまで商業施設は少なく「駅裏」といった雰囲気だった場所だ。今後、貨物ヤードは郊外へ移転し、再開発が行われる予定だ。

 14〜28階の高層部は賃貸オフィスで、すでに伊藤忠商事の入居が決まっている。商業施設は地下3階から13階に入る。中央部は大きな吹き抜けとなっており、後述する南北を結ぶ自由通路と直結して、新たな大阪駅の玄関口となる。その通路を境に、西側にキーテナントのJR大阪三越伊勢丹が、東側に専門店が約200店舗入居するルクアが出店する。

 10階に設けられるレストランゾーンは、JR大阪三越伊勢丹とルクアが事実上一体化し、西日本最大の広さになる。11階にできる「大阪ステーションシネマ」は、松竹、TOHOシネマズ、東映グループのティ・ジョイという大手3社が初めて共同運営するシネコン。12スクリーン、約2500席で、こちらも西日本最大級だ。

北側から見た「ノースゲートビルディング」。中央の大きな穴のような部分が、駅の入口になる(画像クリックで拡大)

建物にはすでにテナントのロゴが掲げられている。「JR大阪三越伊勢丹」は、三越と伊勢丹の経営統合後、初めてダブルネームで出店する(画像クリックで拡大)

 ビルはテナントをつめ込むだけでなく、5つの広場が設けられるなど、比較的ゆったりした造り。今回は、低層階の屋上、14階に設けられる「天空の農園」が公開された。

 その名の通り、ここではいくつかの農作物が栽培される。1500平米のスペースに、水田、ぶどう棚、野菜畑、茶畑などができる予定だ。収穫された作物は、ビル内のレストランで食材として使われる予定。将来的には、一般の人に農園を貸し出すことも検討しているという。

まだほとんど植物が植わっていない「天空の農園」。手前の斜面がぶどう棚、奥が野菜畑と茶畑になる予定だ。奥の建物は高層棟で、オフィスとなる(画像クリックで拡大)

「天空の農園」の完成予想図。都心で作られた農作物には、稀少価値が出そうだ(画像クリックで拡大)