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【プロ野球】横浜身売り 土壇場で決裂2010年10月28日 紙面から
横浜ベイスターズの身売り交渉が決裂した。球団売却問題で横浜を保有するTBSホールディングスが27日、東京都内で会見し、住生活グループと進めていた交渉を打ち切ったと発表。住生活グループも同日、会見を行い認めた。TBSは来季も球団を継続保有する考えを示したが、将来的な売却には含みを残し、不透明な部分を残したままの一時決着となった。また、横浜・加地隆雄球団社長は本拠地および、尾花高夫監督の続投など現体制維持を明らかにした。 TBSホールディングスの財津敬三社長は記者会見で「住生活グループとの協議を打ち切ることになりました。ベイスターズのオーナー企業として申し訳なく思います」と球団売却が破談したことを明かした。 関係者によると、本拠地を移すことや売却額、人事などの諸条件で住生活グループと隔たりがあったという。決裂について財津社長は「明日のドラフト会議など球団への影響を考慮した。時間的な余裕がなかった」と“時間切れ”を強調したが、理由については「不成立なので申し上げられない」と繰り返した。 横浜は3年連続で最下位と低迷中。経営的にも苦戦が続き、赤字は年に20億円と言われている。親会社のTBSは02年に球団株式の70%弱を140億円で取得。放送コンテンツの拡充など、新たな収益源とする予定だったが、成績不振などで放映権料が伸びず、球団売却を検討。9月ごろから住生活グループと話し合いを続けていた。 一方の住生活グループも東京都内で会見。筒井高志副社長が「8、9合目に来ていた」と状況を明かすとともに、傘下企業のトステムの溝口和美副社長が「ギリギリまで検討を重ねましたが、力及ばず不本意な結果になった。応援を通して今後のベイスターズの成功を祈念する」と無念さをにじませたが、会見では「売名行為ではないか」との厳しい質問が飛んだ。 横浜の加地球団社長はこの日、「引き続きフランチャイズを横浜として試合ができることを喜んでいる。尾花監督は3年契約の2年目。責任を果たしていただく」と本拠地、監督ともに“続投”を明かしたが、球団の赤字など本質的な問題解決には「経営努力をする」と話すにとどまった。 「住生活グループとは今日で終わり。再開するものではない」と財津社長。家電量販店のノジマがTBS側にあらためて買収交渉を申し入れる考えを示していることには「個別の話はできない」とする一方、「今後、売却のいい話があれば進めたい」と将来的な球団売却を否定しなかった。
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