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苦学で築いた幸せ人生…リストラ・派遣切りで転落 84歳刺殺の52歳 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:殺人事件
84歳の河内山十一(こうちやま・じゅういち)さんを包丁で刺殺し、ほぼ全財産を奪ったとされる派遣会社員、山崎義久容疑者(52)=大阪府茨木市橋の内。残忍な手口と裏腹に、知人にはまじめで温厚な人柄として知られていた。茨木市の一軒家で、妻と子供2人と暮らしていた山崎容疑者がなぜ凶行に走ったのか。
関係者によると、山崎容疑者は5歳のころ父親と死別し、母親が私立商業高校の寮母をしながら茨木市内に家を建て、山崎容疑者と弟を育てあげたという。
中学を卒業した山崎容疑者は、「得意のそろばんを生かせる」と母親の勤務先の高校へ進学。素行が荒れる同級生もいる中、簿記クラブに所属して勉強を怠らず、成績は上位だった。
昭和52年に高校を卒業し京都の税務会計事務所に就職したが、「仕事が面白くない」と約1年で退職。54年、大阪市北区のカメラ店に再就職し、趣味のカメラを覚えた。遅刻しないまじめな仕事ぶりは評判がよかった。61年に結婚し、子供2人に恵まれ、母親から譲り受けた家も建て替えた。
順調な人生が暗転したのは平成16年。25年間勤めたカメラ店を経営難でリストラされ、派遣社員として職を転々とした。追い打ちをかけるように20年秋の金融危機に伴う世界不況で“派遣切り”が相次いだ。収入が減り、生活費を父親の遺産に頼った。それでも仕事は淡々とこなしていたという。