内村時代の到来だ‐。ロッテルダムで行われた体操の世界選手権で、日本人として初めて個人総合2連覇を果たした内村航平(21)=日体大=ら日本代表が26日、帰国し、都内のホテルで会見した。個人総合の金を含む計4個のメダルを獲得した内村だが、あと一歩で逃した団体の金メダルに悔いを残した。塚原光男団長は「まだまだ伸びしろはある。内村時代は当分、続く」と世界選手権3連覇、ロンドン五輪金メダルへ太鼓判を押した。
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帰国直後の会見とあって、さすがに疲れをのぞかせていた内村は一番印象に残っていることについて「団体で金メダルを逃したこと」を挙げた。
日本勢として史上初めて個人総合で2連覇を達成したのをはじめ、団体の銀、ゆかの銀、平行棒の銅の計4個のメダルを獲得した。しかも、前回の世界選手権では1つもなかった種目別のメダルも2つ手に入れた。「個人のメダルもうれしいけど、みんなで力を合わせる団体は全然違う。団体は日本の伝統でもあるし。団体をメーンに考えてきたので、あまり達成感はない」と、きん差で逃した金メダルへの悔いを口にした。
これもエースの自覚があればこそ。今大会、深刻な左肩痛を抱えながらも、チームを引っ張った。そんな内村に対して、塚原団長は賛辞を惜しまない。「内村のトップ?当分、続くでしょう。伸びしろは、まだまだある」と話す。現在、各国とも特定の種目のスペシャリストを育成し、メダル獲得へつなげようという傾向にあるといい、以前に比べて種目別でのメダル獲得は難しくなっているという。それでも「内村なら最大で(1大会)5つのメダルを取れる」と太鼓判を押す。
内村は「来年の世界選手権(11年10月・東京)はミスなく金を取りたい」とリベンジを誓うと「五輪までに(ライバルとして)どんな選手が出てきてもいいように、しっかり準備をしたい」と、12年のロンドン五輪でのW金メダルも見据えた。