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【スポーツ】谷沢氏 東大コーチに 六大学野球に新風2010年10月27日 紙面から
東京六大学野球の東大が、早大OBで、中日で活躍した本紙評論家の谷沢健一氏(63)に、来季のコーチ就任を要請、谷沢氏も受諾することが26日、分かった。東京六大学でOBが母校以外の指導をするのは珍しい。今季の東大は、早大から1勝したものの勝ち点は挙げられず26季連続最下位に沈んだ。大学、プロで首位打者に輝いた谷沢氏に打線強化を託す。 谷沢氏が、早大主将を務めた1969(昭和44)年以来となる東京六大学の舞台に戻ってくる。ただし、着るのは、エンジではなく淡青の東大のユニホームだ。 今春、現役時代はエースだったOBの御手洗健治監督を迎えた東大は、投手陣を再整備。今秋には、ルーキー右腕の鈴木翔太投手(1年、時習館)が台頭するなどし、善戦した。早大戦では、今秋ドラフト1位候補の斎藤に黒星もつけ、リーグ戦の連敗を35で止めた。だが、打線はチーム打率1割6分9厘と相変わらず低迷。そのてこ入れ役として招へいされたのが谷沢氏だ。 谷沢氏は、早大客員教授として体育で硬式野球を指導。そのかたわらで教えていた高卒生が東大に入学したのが、今回のきっかけのひとつ。社会人のクラブチーム、YBCフェニーズの監督も務め、東大とも練習試合をするなど交流もある。若い世代への指導経験も豊富で、打撃コーチにうってつけの存在だ。 東大はかつて、慶大OBらの指導を受けたことがあるが、東京六大学各校は対抗戦意識が強い。他校のOBを受け入れるケースは少ないが、すでに両校のOB会組織も、リーグの発展のために谷沢氏の“移籍”を了承。谷沢氏は、すでに日本野球連盟(社会人)のアマ資格を取得しているが、日本学生野球協会の適性審査をあらためてパスする必要がある。早慶戦の終了を待って、協会に申請する。 谷沢氏は「まだ仮定の話だが、東大にもいい選手がいると聞いているし東大が強くなることでリーグも盛り上がればうれしい」と、コーチ就任受諾に前向き。クラブチームの監督は勇退する形で、東大の指導に心血を注ぐ覚悟だ。早大時代は東大戦にめっぽう強かった谷沢氏が、来春からは東大の味方として、母校の早大、永遠のライバルの慶大などに立ち向かう。
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