【ロンドン原田公樹】ワールドカップ南アフリカ大会の期間中、ドイツ代表などの試合結果を予想し、すべてを的中させて世界的に有名になったドイツ西部、オーバーハウゼンの水族館「シー・ライフ」のタコ、パウル君が死去したことが26日、分かった。同水族館のポーボル所長が「昨晩、死去しました。静かな自然死でした」と明かした。2歳だった。
2008年1月ごろ、英国南部のウェイマスで生まれたパウル君は、同年の欧州選手権でドイツ代表の試合結果を予想。6試合中4戦を的中させて「予想タコ」として有名になった。W杯南ア大会でもドイツ戦を予想。1次リーグ初戦オーストラリア戦の勝ち、セルビア戦の負け、ガーナ戦の勝ちを的中させた。決勝トーナメント1回戦イングランド戦でドイツの勝利を予想したところ、故郷を裏切ったとしてイングランドのファンから非難を浴びたが、結果は見事に当たり。アルゼンチン戦もドイツの勝利を的中させた。
準決勝ではスペインの勝利と予想し、地元ファンからは「(スペイン名物の)パエリアにして食ってしまえ」などと反感を買ったが、結果は的中。3位決定戦はドイツの勝利を的中させ、決勝でもスペインの優勝を当てた。予想した8戦すべてが的中だった。
W杯後は2018年大会の招致を目指すイングランドの招致アンバサダーに就任。予想はせず、静かに余生を過ごしていた。ポーボル所長は「みんなパウルを愛していた。とても悲しんでいる」と話した。水族館では、記念の展示コーナーを設け、遺灰を残すことも検討している。
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