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【大リーグ】ワールドシリーズ捕手は師弟対決 ジ軍6月退団のレ軍モリーナ2010年10月27日 紙面から
2010ワールドシリーズ(7回戦制)は27日(日本時間28日)、ナ・リーグ王者のジャイアンツが、ア・リーグ初制覇を遂げたレンジャーズをサンフランシスコに迎え、開幕する。1994年の3地区制導入後で西地区優勝チーム同士の対戦は初めてで、「東高西低」の歴史が塗り替えられる。両軍の好投手を盛り立てるのは、6月まで3年半ジャイアンツに在籍したレンジャーズのベンジー・モリーナ(36)と、そのモリーナの教えを受けてレギュラーを勝ち取ったバスター・ポージー(23)の両捕手だ。決戦2日前のこの日、ジャイアンツは本拠地で練習。レンジャーズは空路で敵地入りした。 36歳ベテランにとっては、6月まで3年半在籍した古巣ジャイアンツとの因縁の対決だ。ポージーに正捕手の座を明け渡すため、トレード移籍してきた。 「とても幸せで不思議な気持ちだ。古巣を敵として最後に対決するなんて変な気分だよ。ジャイアンツの連中はみんな兄弟のようで、ときに自分は父親役だった。若い連中の面倒を見て、野球や人生について語ったからね」。サンフランシスコ入りを前にしたモリーナは複雑な表情だった。 ジャイアンツが勝ったとしても“功労者”への優勝リング進呈が濃厚で、どちらに転んでも自身2個目のワールドシリーズリングを手にする。「それはまあ、引退後のいい思い出になるね」と笑った。 “弟子”との対決でもある。ポージーが5月にメジャー昇格して以来、メジャー13年間の経験を伝授した。「教えられることはすべて教えた。質問にも全部答えた。目の上のたんこぶにはなりたくなかったから、彼なりにやれるところはそっとしておいたけどね。これから長く活躍する選手になって僕もうれしい。一緒に厳しいトレーニングをした仲良しだった」 とはいえ、もちろん手を抜くわけではない。2002年エンゼルスでの世界一の経験を生かし、今ポストシーズン(PS)は打率3割3分3厘、2本塁打、7打点。「プロの野球選手だから、レンジャーズの勝利のためにプレーする」と全力で古巣を倒しにいく。 (アーリントン大城和美)
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