左足で低い弾道のシュートを放つ中村=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(伊東朋子撮影)
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名古屋グランパスは26日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで、30日のC大阪戦(豊田ス)に向けて練習した。前節の神戸戦(ホムスタ)は出場停止だったMF中村直志(31)は今季、先発復帰戦を、すべて白星で飾っている。持ち前のハードワークで、けが人続出のチームを救う。
ボランチからサイドへボールを出し、ゴール前に走る中村の動きに無駄はなかった。ミドルシュートをポストに当てて悔しがる場面もあったが、躍動感にあふれていた。
新潟戦では2度の警告で退場処分となった。激しい守備が持ち味だけに、累積警告での出場停止は何度もあるが、退場は、03年12月20日の天皇杯4回戦の東京V戦以来プロ入り2回目。出場停止の神戸戦では、DF闘莉王、MF金崎らけが人が続出した。「自分は今、けがはない。試合に戻れば頑張る」と、闘志を燃やしている。
中村にとって、心強いデータがある。今季、けがや出場停止から、先発復帰した全4試合でチームは勝利を収めている。特に、川崎戦に惨敗した直後のG大阪戦では、流れを呼ぶ先制のミドルシュートを決めた。それでも、「自分が入って何か変えるというより、チームがうまくいくようにどう動くのかを考えて、うまく入るように心がける」と、謙虚に話した。
攻守で貢献していた闘莉王が離脱し、特に守備面で中村にかかる期待も大きい。「あれだけ頑張ってきた選手だが、けがはどうしようもない。残った選手でその分も支えたい」と、組織力でのカバーを強調した。
C大阪はドイツに移籍したMF香川が抜けたとはいえ、J14位につけている。前回の4月25日の対戦(長居)は、腰痛が癒えた中村の先発復帰戦でもあった。試合途中の布陣変更で、攻撃的MFからボランチにポジションを変えても難なく対応し、1−0の完封勝利を挙げている。
「C大阪は前線に速い選手がいて、カウンターがある。自分たちも前から守備をして、DFラインをコンパクトに保って対応したい」。中盤をマルチにこなす中村は、勝率10割の先発復帰戦で、5回目も勝利に貢献する。 (伊東朋子)
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