笑顔で選手にアドバイスを送る関塚隆監督=西が丘サッカー場
12年ロンドン五輪を目指すサッカーのU‐21(21歳以下)日本代表20人が26日、広州アジア大会(11月)前最後となる関東合宿をスタートさせた。関塚隆監督(50)は、無免許運転が発覚してU‐21代表を辞退したDF金井貢史(20)=横浜M=の過ちを繰り返さないため、練習前に綱紀粛正ミーティングを実施。代表選手の誇りと自覚を訴えた。U‐21代表は27日にJ1湘南と練習試合を行っていったん解散。11月5日に再集合して中国へ出発する。
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練習より先に伝えるべきことがあった。関塚監督は厳しい表情で選手を見つめ、訴えた。「日本を背負う代表選手らしい態度、生活をしてほしい。あえて門限を設けたりしない。節度を持ち、自分で考えて行動しよう」。アジア大会メンバーに選出されていたDF金井の不祥事を受け、襟を正すよう指示した。
金井の1年2カ月にもおよぶ無免許運転が発覚したのは18日夜。クラブの事実確認と事情聴取後の21日に公表され、U‐21代表も即日辞退。関塚監督も「残念だ」と苦渋の表情。C大阪MF黒木を代替招集したが、ダメージは計り知れない。
“金井ショック”からの切り替えのため、あえて訓示を口にしたが、練習では攻守の切り替えの早さを強調した。関西合宿中に行ったG大阪との練習試合(20日)の映像を見ながら修正点を指摘。ザックジャパン同様の堅守速攻を目指す。
この日は関塚監督の50回目の誕生日。練習後には気温12度の寒空の下、お祝い代わりに選手からペットボトルの水をぶちまけられた。「びっくりしました。卵と粉がなかったからいいけど、冷たかった」と苦笑いした関塚監督。50歳になった指揮官のもと、ロンドン世代が名誉ばん回の船出を迎える。
(2010年10月27日)