長谷川穂積“家族力”で2階級制覇!11・26世界戦
母・裕美子さんの遺影を手にする長谷川穂積(左) |
◆ 母・裕美子さんの告別式 ◆
24日にがんのため55歳で死去した前WBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(29=真正)の母・裕美子さんの告別式が26日、兵庫県西脇市で営まれた。前日の通夜に続いてあいさつした長谷川は、裕美子さんの教えである「家族のきずな」を再確認。11月26日のファン・カルロス・ブルゴス(22=メキシコ)とのWBCフェザー級王座決定戦も残り1カ月を切った。2階級制覇のリングに臨む決意を語った。
◆ 悲しみ乗り越え…おとん、妻、妹とともに ◆
父・大二郎さん(55)の喪主あいさつに続いてマイクを握った長谷川が口にしたのは、その原動力と言うべき言葉だった。
「僕たちきょうだい5人は、昔からたっぷり母親の愛情を受けてきました。僕たちの未来は大丈夫です」
4年前、裕美子さんの大腸に見つかったがん。高額の治療費をファイトマネーでまかなった長谷川が、励まされてきた。調整期間のジムで、試合中のリングサイドで。病身をおして送られる声援から力をもらった。帰省すれば変わらぬ笑顔があった。
そしてバンタム級で達成できた連続10度防衛。「おかんはいつも家族のきずなをつくりたいと言ってた。5人、おとん、妻…全員強いきずなができていると思う」。その結果の歴代2位の偉業だ。
母だけじゃない。元プロの大二郎さんにボクシングの手ほどきを受け、現在も助言を求める。妻・泰子さん(30)はバンタム級時代10キロを超える減量に付き合ってくれた。接骨師の妹・瑠璃さん(22)はマッサージで疲れを取ってくれた。母の旅立ちで再確認した家族のきずな。国内初、飛び級による2階級制覇がかかったブルゴス戦は悲しみを乗り越え、家族とともに闘う。
|
[ 2010年10月27日付 ]
PR