エイズ感染の事実を隠し性的関係、10代少女を書類送検

父親の届け出で発覚

 エイズ(AIDS=後天性免疫不全症候群)に感染した釜山市の10代の女性が、感染の事実を隠し、インターネットのチャットを通じて知り合った男性らと無差別に性的関係を持っていたことが分かり、警察が捜査に乗り出した。

 釜山海雲台警察署は26日、これらの容疑でA容疑者(19)を書類送検した。A容疑者は先月中旬、釜山市水営区などのモーテルで男性らと会い、エイズに感染した事実を告げず、1回につき5万-10万ウォン(約3600-7200円)を受け取って売春行為をしていた疑いが持たれている。

 3年前、高校を1年で中退したA容疑者は昨年家出し、身元不明の男性と性的関係を持った後、今年2月に子宮に腫瘍(しゅよう)が見つかり、手術を受けた際にエイズに感染していたことが分かった。当時、病院側はエイズに感染しているのではないかと疑い、釜山保健環境研究院に通告、同院による検査の結果、エイズウイルスを保持していることが分かった。

 家出した後、チムジルバン(サウナ主体の韓国式健康ランド)などを転々としていたA容疑者は、生活費などを稼ぐため、インターネットのチャットを通じて売春行為を行っていた。A容疑者は「コンドームを使おう」と告げたが、男性らは拒否したことが分かった、と警察は説明した。一方、警察はA容疑者の携帯電話の通話記録や、チャットの内容などを基に、買春行為をしたL容疑者(27)ら3人を書類送検すると共に、A容疑者と性的な接触をした可能性が高い二十数人の男性についても捜査を行っている。警察は「買春行為をした二十数人の男性の大部分について、身元を把握している」と話した。

 警察は、A容疑者の父親が先月、「娘が強制的に売春行為をさせられている」として届け出たのを受け、捜査を進めてきた。なお、警察はこれまでに、A容疑者が先月中旬、集中的に性的関係を持っていたことを把握しているが、それ以前にも性的関係を持っていた可能性があるとみている。

 海雲台署のキム・ジョンヨン女性・青少年係長は、「A容疑者は2級の知的障害を持っている上、生活費を稼げる売春行為ができなくなるのではないかと心配し、男性に感染の事実を知らせず性的関係を持った後、『エイズにかかっている』と伝えていることから考えて、エイズの感染を拡大する目的で性的関係を持ったとは考えられない」と語った。

釜山=権慶勲(クォン・ギョンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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