仙谷官房長官は記者会見で、尖閣諸島沖で起きた中国漁船による衝突事件のビデオ映像について、国会への提出に合わせて衆議院予算委員長あての要望書を提出し、映像を見る人の範囲や方法などを慎重に取り扱うよう配慮を求めたことを明らかにしました。
仙谷官房長官によりますと、要望書では「この事件の容疑者への検察による処分が行われておらず、関係者の名誉や人権を保護する必要があり、さらに、国際政治情勢への影響も考慮する必要がある」としています。そのうえで「映像を公にするにあたっては、より慎重を期すことが相当だと判断される。予算委員会での取り扱いは、映像を見る人の範囲や方法を含め、極めて慎重な取り扱いをするよう、格段の配慮を要望する」としています。また仙谷官房長官は記者会見で、27日朝、菅総理大臣とともにビデオ映像を見たことを明らかにしました。そのうえで、記者団が「前原外務大臣はビデオについて、『中国漁船が明白にかじを切って体当たりをしてきている』と述べていたが、そういう映像なのか」と質問したのに対し、仙谷官房長官は「逮捕状を請求した罪となるべき事実がわかるビデオ映像だと感じた」と述べました。さらに仙谷官房長官は、27日に菅総理大臣がビデオ映像を見た理由について、「那覇地検に対しビデオ提出の請求が行われているが、刑事司法的なレベルの提出に応じていいかどうかの判断や、行政的判断、政治判断の責任は、やはり内閣にある」と述べました。