事業仕分け第3弾前半戦 傍聴席に空席目立つ 蓮舫大臣は国会で歯切れ悪く...
蓮舫行政刷新担当相が「特別会計を丸裸にする」と意気込んでいる事業仕分け第3弾の前半戦が、27日に始まった。
27日午後、農地整備に使われる特別会計の仕分けをめぐり、蓮舫行政刷新担当相が、農水副大臣にかみついた。
蓮舫行政刷新担当相「(土地を)大きくすればするほど、今度は大型器具を入れたりして、それは合理化をしなければならなくて、初期投資がかかってきて、その部分は、どこで補償してくれるんでしょうか?」
担当省庁側・筒井農水副大臣「大規模化したからといって、直ちに、イコール利益が上がるかたちになってないわけです。大規模のところも、中規模のところも...」
蓮舫行政刷新担当相「先生、それをおっしゃるんだと、元のもくあみで...」
一方、27日午前の内閣委員会で、蓮舫行政刷新担当相は、自民・小泉 進次郎議員の追及に、いつもの歯切れのよさは、なりを潜めていた。
小泉議員「何で1割もカットできないんですか!」
蓮舫行政刷新担当相「人を指さすのはやめた方がいいのかなと」
蓮舫行政刷新担当相「検討させていただいている。そのことに尽きると思います」
小泉議員「今の答弁を聞いていて、蓮舫さんが、なぜ人気があるのかわかりませんね。『検討する』なんか、蓮舫さんの口から、まったく聞きたくないですよ」
蓮舫行政刷新担当相「民主党で決めることについて、わたしに聞いているのか、それとも、行政刷新担当相として仕事をさせていただいていることについて聞いておられるのか、もうちょっと、わかりやすく聞いていただけますか?」
小泉議員「自分の所管だとか、民主党とか、国会で決めることとか、そういったことで聞いているんではないんです」
そして始まった事業仕分け第3弾。
ここには、大臣から仕分け人に転身した長妻 昭前厚労相の姿があった。
仕分け人・長妻前厚労相は「きちっと答えられなければ、この事業は廃止になりかねない。この会議の存在が、霞が関に大変な緊張感をもたらしているところであります」と述べた。
一方、毎回会場を訪れる仕分けウオッチャーの内田裕也さんは、「(盛り上がりは?)えらい少ないなあ。関心が薄れたのではないと思うんだけど」と語った。
事実、これまで2回の事業仕分けとは異なり、傍聴席には空席が目立った。
実は、菅首相や蓮舫行政刷新担当相の口からは、今回の仕分けの苦戦を予想させるようなキーワードが飛び出していた。
菅首相は20日、「特別会計の中には、埋蔵金ならぬ、埋蔵借金があるものも」、蓮舫行政刷新担当相は「埋蔵借金、隠れ借金があるという、向き合ってこなかった現実とも、しっかり向き合って」と、それぞれ述べていた。
特別会計が抱えてきた、いわゆる「埋蔵借金」の存在も、今回の仕分けで明らかにするという。
自民党の小泉議員は、午前の内閣委員会で「埋蔵金よりも、埋蔵借金の方が多そうだと」と指摘していた。
そんな中、午後から蓮舫行政刷新担当相も参戦して議論されているのは、食料安定供給特別会計。
埼玉・日高市にある倉庫の中には、6メートル以上の高さにまで政府米が積み上げられていて、全体で5,800トンにもなる。
これは、災害やコメの不作など、不測の事態に備えて保管される「備蓄米」。
東倉庫の鳩村 栄営業部長は「人件費とか光熱費は、数%ずつ上がってきている。全体的には、備蓄米が過剰在庫になっていると聞いています」と語った。
特別会計の米管理勘定から費用が負担される、備蓄米の管理。
現在、その備蓄水準は100万トンで、その管理費は、2011年度の概算要求で168億円にものぼるという。
蓮舫行政刷新担当相「100万トンを備蓄してるっていうのは、さばかれているのであれば、備蓄の部分の経費節減効果というのは出てくるのではないか。その100万(トンの備蓄量)の是非というのは、もう1回議論した方がいい」
筒井農水副大臣「5年程度たったときには、放出しております」
蓮舫行政刷新担当相「ただ、実質、主食用と言いながら、加工用になったり。先生、わかっている事務方にファクト(事実)だけ教えてください」
筒井農水副大臣「いろんなものに使われてきた」
この備蓄米は、政府の備蓄水準について、現在のおよそ100万トンからの引き下げが論点になっている。
2009年の政権交代前に民主党が掲げた政策集では、「食糧安全保障の観点から、輸入米も含めて、300万トンの備蓄体制を確立する」と書いてあった。
しかし、仕分け人の民主党議員は、備蓄米を減らすべきだとしているのに対して、農水副大臣は減らすべきではないと主張するなど、ここでも意見が対立している。
(10/27 19:20)