Ｗ杯予言ダコのパウル君、大往生…近日中に火葬

　今年のサッカーＷ杯で、勝敗予想を完ぺきに的中させ、“予言ダコ”として大人気となったタコの「パウル君」が２６日、飼育されていたドイツ・オーバーハウゼンのシーライフ水族館で死んでいるのが見つかった。タコの平均寿命は３年前後といわれており、老衰だったとみられる。館では、遺灰の展示などを検討している。

　驚異の的中率１００％の“占い”で、Ｗ杯のピッチ外で大人気者となったパウル君が、天寿をまっとうした。すみかの水槽で死んでいるのが見つかったのは２６日朝。前夜から未明にかけ、死んだとみられている。２６日は、水族館は旗を半旗にするとともに、全スタッフが黒いリボンを喪章として制服に付け、人気者の死に対して大々的に哀悼の意を表している。

　タコの平均寿命は通常、３年前後といわれる。２００８年１月２６日生まれとされるパウル君は、２歳９か月近い年齢だった。人間でいえばおじいさんダコ。大往生だったことになる。水族館のスタッフによると、死の数日前からエサをあまり食べなくなり、動きも少なくなったことから、心の準備はできていたという。ただ、２５日にチェックした際は、比較的元気そうだったというから、夜のうちに容体が急変した可能性がある。スタッフは全員「打ちのめされている」という。

　水槽に対戦国２つの旗とエサを入れ、好きな方を食べる方法で、Ｗ杯の試合勝敗を予想したパウル君は、決勝戦とドイツ代表の試合８試合の結果をすべて的中させ、一躍、脚光を浴びた。この日から、水族館は水槽の前に、客が思い出をつづれるように、ノートを置いたという。

　パウル君は冷凍庫に保管されており、近日中に火葬される。遺灰を入れた“タコつぼ”を、展示することも検討。また、記念モニュメント設置やＤＶＤ作製も浮上している。

　実は来週から、水族館には後継者のタコが入る予定だった。ムンツェン館長は「後を継げるかどうか分からないが、占いもやらせたい」と話す。大きな功績を残したパウル君は、２代目に後を託し、天国に旅立った。

（2010年10月27日06時02分  スポーツ報知）

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