２６歳研修中女刑事「見当たり捜査」２０日間で２人検挙

　顔写真だけを頼りに窃盗犯を捜し出す「見当たり捜査」研修中の警視庁志村署の女性巡査長（２６）が、２０日間で２件の容疑者を路上で発見、検挙した。渋谷署は２６日までに、ＤＶＤを盗んだ窃盗の疑いで住所不定、職業不詳の橋川健容疑者（４１）を逮捕した。容疑を否認しているという。

　今月６日から警視庁捜査共助課の研修を受けていた女性巡査長は、７０人分の窃盗犯の顔写真を頭にインプット。研修最終日の２５日午前、新宿区のスタジオアルタの近くで犯人捜しをしていたところ、橋川容疑者の顔を見てピンときた。その場で職務質問し、歌舞伎町交番へ任意同行を求め、逮捕した。

　逮捕容疑は７月１５日午前１０時頃、東京都渋谷区神南のレコード店で、ＤＶＤ２枚（１万１８８０円相当）を盗んだ疑い。防犯カメラの映像などから同容疑者が浮上し、渋谷署が捜査をしていた。

　この女性巡査長は２０日にも、別のＤＶＤ窃盗犯の男（３１）を歌舞伎町の路上で発見し、逮捕につなげている。研修を終え、２６日に志村署に戻った巡査長には署長特別賞が授与された。同署副署長は「明るく、朗らかで前向き。優秀な人材です」と話した。

　巡査長は大学卒業後、３年前に志村署に赴任した。１０人に１～２人という厳しい競争を勝ち抜き、刑事になり、知能犯捜査係として、詐欺犯などの検挙に尽力しているという。

　警視庁ＯＢの作家、北芝健氏は「見当たり捜査はベテランでも難しく、あきらめてしまう人が半分以上。誤認逮捕を恐れて気後れするようでは務まらず、胆力も必要です。男性刑事以上の機転と胆力があるのでしょう」と話した。

（2010年10月27日06時02分  スポーツ報知）

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