アメリカ軍は、沖縄の普天間基地に配備する計画の最新鋭の輸送機オスプレイを日本の報道機関に公開し、地元沖縄で高まっている安全性などの懸念に対して問題ないと強調しました。
アメリカ海兵隊は26日、南部ノースカロライナ州の基地に日本の報道機関を招き、最新鋭の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを公開しました。オスプレイは、2つの回転翼を上に向けてヘリコプターのように垂直に離着陸できるほか、水平方向に向けて固定翼機のようにも飛行できることから、海兵隊は従来のヘリコプターの2倍の速度で飛行でき、3倍の重量を輸送できるとしています。海兵隊は、オスプレイを2年後にも沖縄の普天間基地に配備する計画ですが、開発段階で墜落事故が相次いだことから、地元沖縄では安全性や騒音をめぐって懸念が高まっています。海兵隊は、今回報道陣をオスプレイに搭乗させたうえで、イラクやアフガニスタンで、すでに使っているほか、オバマ大統領も乗っていることなどを説明し、安全性に問題はないと強調しました。さらに、住宅街の上空などを飛行しているものの「住民からは騒音の苦情が出ていない」と説明したほか、部隊の司令官も「離着陸時の騒音は、従来の中型ヘリコプターと変わらない。飛行中はむしろ非常に静かだ」とアピールしました。海兵隊は、オスプレイの配備で沖縄の懸念が高まれば、普天間基地の移設計画にも影響を与えかねないとみており、今回の公開を通じて懸念をふっしょくするねらいがあったものとみられます。