決済日の９月末まで、すでに秒読み段階に入っている。社員30余名、アニュー300店舗を抱えるナチュラルグループ本社（NG本社）は一体これからどうなるのだろうか。社員、仕入れ先、その他の関係者は息を凝らしてNG丸の行方を見守っている。
　緊張感に耐えられずにNG丸から飛び降りた者もいる。前述のT氏は「いろいろな話を聞いて、もうだめだろうと思った」と述懐する。M氏も転職を考えているらしい。NG本社が倒産すれば、道連れになる関係者は少なくない。
　前回話を聞いた現職のM氏は、「（自分の店では）チョーコーさんや太陽さんの商品がストップしている」と明かしてくれた。これは別の情報筋から得た話と一致している。チョーコー醤油（株）（長崎市西坂町）と太陽油脂（株）（横浜市神奈川区）の２社で、チョーコーはしょう油をはじめとした調味料関連商品を、太陽油脂は歯磨きや石けん、シャンプーなどをアニューに卸しているメーカーである。手形から現金、さらに代引へと支払い条件を切り替えた両社からのアニューの仕入れが滞っているという話である。原資が底を突いている状況を裏付けてもいる。
　似たような動きに関してはほかにも、胡麻の真誠（名古屋）は供給をストップ、一時的に供給をストップした白麦（山梨）は供給を再開したとも聞いている。取引条件は分からない。
　あるアニュー店では、月30万円の引き出し金（給与に値するもの）を毎月25日に認めているが、今月は27日以降まで引き出しはしないよう通知されているという。同社の売上金の上納については複雑な計算がともなうので詳細には触れないが、100万円以上の売上を果たした店舗に対しては、ほぼ30万円が給与相当額として支払われている。未達成の店舗は、仕入れ商品の代金も自らが補てんしなければならない仕組である。

【田代　宏】