ルポ:韓米日の協力で航空機「B787」製作(下)

 トロイ・キム氏は「先端技術を駆使するためには、従来の下請け業者の他にも技術力に優れた企業を新たに発掘しなければならない」と話した。

 また、富士重工業から1時間ほど離れた川岐重工業では、「B787」の両翼と飛行機の胴体中央部が製作されている。巨大な棚に載せられた円筒状の胴体の長さは20メートル。以前は5メートルの長さの胴体四つをつないで作っていたが、現在は炭素複合素材を使用し、一つにつないで作業している。

 これにより、騒音が減り、作業工程も短縮された。これについて、川岐重工業の関係者は、「製品設計から生産に至るまでの全過程をボーイングと共同で進めている。工場の増設などの投資も共同で行っているため、新機種の開発に伴うリスクも分割することができる」と、メリットに触れた。

大韓航空、「B787」プロジェクトに参加

 「B787」プロジェクトでは、大韓航空が韓国企業として初めてボーイングの第一次パートナーとなった。大韓航空は、「ウィング・チップ」と呼ばれる両翼の先端部分に装着される部品の生産を担当する。また、KAIも第2次下請け業者として参加している。

 「B787」機の製作にあたって、下請け業者を管理するボーイング社のジョージ・マッフェオ副社長は、「巨額の投資を必要とし、多くの先端技術が投入されるほど、すべての作業を一つの企業でまかなうことが難しくなる。そのため、能力のある下請け業者を発掘することが重要になる」と話した。

 大韓航空は、今後の航空機部品の需要増に伴い、慶南金海工場を増設するなど、大々的な投資に乗り出す計画だ。

 マッフェオ副社長は、「先端素材を扱っている韓国企業の技術力は世界的だ」と絶賛した。つまり、IT(情報技術)面での強さを生かせば、航空機産業でも重要な位置を占めることができるということだ。

名古屋=李性勲(イ・ソンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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