ルポ:韓米日の協力で航空機「B787」製作(上)

 日本の海岸産業都市・名古屋は、日本の重工業と自動車産業の中心地として有名で、韓国に例えれば蔚山のような都市だ。

 先月末、富士重工業の名古屋工場を訪れたところ、高さ5メートルほどの四角いボックスの中で、エンジニアが電線と内部の支持台をつなげる作業をしていた。この工場では、米ボーイング社の次世代機「B787」の部品を生産している。

 巨大な棚の上に置かれた四角いボックスは、飛行機の胴体下部に両翼を連結させる「センター・ウィング・ボックス」だ。このボックスに入る内部の支持台は、韓国の慶尚南道四天市にある韓国宇宙航空産業(KAI)が生産している。工場を案内してくれたヨシダ部長は、「ここで生産されたセンター・ウィング・ボックスは、飛行機で米サウスカロライナ州の“B787”組み立て工場に運び込まれる。韓国、日本、米国の3カ国を経て両翼が完成する」と説明した。

 「B787」機の部品を生産しているボーイングの第一次下請け業者数は現在、約15社。国家別には、韓国、日本、カナダ、フランス、イギリス、スウェーデンなどの9カ国だ。「B787」のアジア地域の下請け管理を担当しているトロイ・キム氏は、「正確に公開することはできないが、第一次下請け業者の数は以前の航空機種の開発時に比べて10%ほど増えた」と話した。

技術力に富んだ下請け業者の発掘が「かなめ」

 ボーイングが世界的に下請け業者の数を増やしているのは、最先端機種の「B787」に使用される素材の50%以上が炭素複合素材だからだ。

 「B787」は、最先端の炭素複合素材を50%以上使用することで、燃料使用量をこれまでの機種に比べて20%ほど減らすことに成功した次世代航空機だ。乗客数は200-300人で、1機当たりの価格は1億6000万-2億ドル(約131億-164億円)になる見込み。従来モデルの「B747」などは、通常高度2000メートルを飛行するが、「B787」はそれよりも低い1800メートルを飛ぶため、気圧や湿度の面でより快適となる。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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