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10月24日、中国内陸部の甘粛省蘭州市と陝西省宝鶏市で起きたデモで、「腐敗に反対する」「多党制を導入せよ」など反政府の横断幕が掲げられた (写真=BBC放送スクリーンショット)

「多党制を導入せよ」 反日デモに反政府の声も 元外交官「密約の報道が影響」

 【大紀元日本10月26日】中国漁船衝突事件をきっかけに中国各地で反日デモが拡大する中、抗議の矛先が政府に向く動きが出始めた。24日、中国内陸部の甘粛省蘭州市と陝西省宝鶏市で起きたデモで、「腐敗に反対する」「多党制を導入せよ」など反政府の横断幕が掲げられた。反日に紛れて市民の不満が表面化したのは今回が初めて。

 ついに始まった反政府の動きについて、政治亡命した在豪中国大使館の元外交官・陳用林氏は「日中密約の報道がデモの性質に影響するだろう」と予想していた。

 BBCや共同通信の報道によると、24日、中国陝西省宝鶏市で起きた若者を主とするデモ隊は、尖閣諸島の奪還や日本製品ポイコットを訴える赤の横断幕に加え、「住宅価格の高騰に抗議」「貧富の格差を是正せよ」など現政権への不満をあらわにした緑と青の横断幕を掲げて行進した。また、「報道の自由を」や「馬英九(台湾総統)、大陸にいらっしゃい」などのスローガンも見られ、民主と自由を求める訴えがはっきりと打ち出された。

 23日にも内陸の四川省徳陽市で6000人が参加するデモが起きた。中国国内メディアはこのデモを報道せず、インターネット上でもほとんどの関連記事がアクセスできない状態になっている。

 10月16日から、中国内陸部の大都市で大規模な反日デモが発生した。一連の反日デモが反政府デモになりかねないと、政府は神経を尖らせていた。中国人権情報センター(本部香港)の情報によると、教育部からデモを計画した各地の大学に対して拡大防止策を講じるよう要請があり、週末に授業を行ったり、週末に外出を禁止するなど各地で警戒態勢を敷いた。

 住宅価格の高騰、貧富の格差の拡大、官僚の腐敗……様々な社会問題を抱える政府は市民の不満を解消するために反日デモを容認しつつも、抗議の矛先が自身に向けられないよう警戒している。しかし、政府が最も懸念している反政府への変容に関し、元外交官・陳用林氏はこう分析する。

 「日中密約が報じられた後、中国政府は密約の存在を否定したものの、密約の存在があると思う人は少なくない。国民の愛国感情が裏切られたと落胆した市民や大学生らは、抗議の矛先を政府に向ける可能性がある。政府はガス抜きのためにある程度デモを許可するが、デモの性質が変化すれば、すぐに封じ込めるだろう」

 さらに、同氏は、「愛国デモはいずれ反政府デモへと変化する。これはすでに前例のあることだ。最初は国家利益だけを考えているが、徐々に国民の生活、国民の権利などに関心が広がっていく。学生を思い通りに操ることができなくなると、政府は抑圧に転じる」とコメントした。

 江蘇省在住の民主活動家・朱虞夫氏は反日デモへの政府対応を「火遊び」だと切り捨てた。

 「1989年の天安門事件は当時の胡耀邦主席を偲ぶためのデモから始まった。徐々にデモは反腐敗へと方向転換した。今の中国社会は当時よりずっと多くの社会問題を抱え、市民の不満も当時より大きい。反日を利用して市民の不満をそらそうとしているが、自身に飛び火するのは時間の問題」と分析した。

 一連の反日デモはちょうど中国共産党の重要会議、第17期党大会会期中に始まったことから、デモが権力闘争に利用され、政府の容認があったと専門家は見ている。しかし、先週末のデモに反政府の動きが出たことから、今後政府は反日デモ封じ込めを一層強化するものと思われる。

 「取締りが行き過ぎると、市民の更なる反発を招きかねない」と専門家は警鐘を鳴らしている。

(記者・駱亜/翻訳編集・高遠)


 (10/10/26 01:00)  





■キーワード
日中関係  反日デモ  報道の自由  陳用林  尖閣諸島  日中密約  


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