中国系とみられる二つの投資ファンドが日本の主要企業の株を買い進め、市場関係者の間で話題になっている。朝日新聞の調べによると、2ファンドが保有する日本株は少なくとも34社、その資産総額は20日現在で約5300億円に上る。「ハゲタカファンド」のような経営陣への要求はなく、純粋な投資とみられるが、中国マネーの動向を気にする企業側は、ファンドの動きを注視している。
「背後にいる株主がだれなのか。気になる存在だ」
住友金属鉱山の担当者がこう話すのは「SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT CHINA TREATY CLIENTS」という名のファンドだ。住友鉱の株式の買い増しを2008年ごろから進め、今年3月末時点で1.15%を保有する9位の株主になった。これまでに会社側への連絡や接触はない。
SSBTともう一つ、似た名を持つファンドもある。両ファンドが東京証券取引所の1部上場企業の株を買い始めたのは07年ごろ。ともに名にチャイナ(中国)が入っていることから、市場では「チャイナファンド」と呼ばれる。
ソニーの07年度の有価証券報告書で8位の株主に躍り出たのを皮切りに、金融や通信、薬品など幅広い業種で買い進めている。2ファンドのいずれかが上位10位以内の大株主に入った企業は09年には11社だったが、今年3月末は34社に膨らんでいる。10位以下の株主は有価証券報告書に掲載されないため、他にも多くの企業に投資しているとみられる。
ファンドの報告書での所在地は豪州・シドニー。だが、実際の資金の出し手は謎に包まれている。配当金の受け渡しを仲介する、代理人の香港上海銀行東京支店は、朝日新聞の取材に「非公開情報なのでお答えできない」とする。