密約文書開示訴訟 2審始まる
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密約文書開示訴訟 2審始まる

10月26日 18時48分 twitterでつぶやく

沖縄返還の際に日本とアメリカが密約を交わしたとして、元新聞記者らが外交文書を公開するよう求めている裁判の2審の審理が始まり、原告側は「文書が残っていないという国の主張は不自然で、密約の存在を認めるべきだ」と訴えました。

この裁判は、昭和47年の沖縄返還の際にかかる費用を日本がアメリカの代わりに支払うという密約があったとして、元新聞記者や大学教授らが国に当時の外交文書を公開するよう求めているものです。1審は、ことし4月、国に文書の開示に加えて慰謝料の支払いを命じ、国が控訴しました。東京高等裁判所で始まった2審の裁判で、国側は「十分探した結果、密約を記した文書が残されていないことは確認されている。文書が残っていると判断した1審の判決は誤りだ」と主張しました。これに対して、原告側は「日本の外交政策にかかわる、きわめて重要な文書なのに、国は『ないものはない』という形式論を繰り返すばかりで、合理的な説明をまったくしていない。国は控訴を取り下げて密約の存在を認めるべきだ」と訴えました。原告の1人で作家の澤地久枝さんは、法廷で意見を述べたあと記者会見し、「国の権威で文書は存在しないと押し切ろうとする態度にはあきれる」などと述べました。