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「全国紙が社説で一ジャーナリストの個人名を出して批判するのは実に珍しい」

 メディア批評誌『創』の篠田博之編集長は、「え?」と目を丸くしたという。

 天下の朝日新聞にその社説が載ったのは9月19日のこと。

〈市民の力を信じる――。
  ごく当たり前の話なのに、それを軽んずる姿勢が、社会的立場の高い人の言動に垣間見えることがある。
  裁判員と同じく一般の市民がかかわる検察審査会制度について、(略)ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は新聞のコラムで「"市民目線"と持ち上げられてはいるが、しょせん素人の集団」と書いた〉

 この異例の社説には"発端"があった。9月6日付の毎日新聞で鳥越俊太郎氏がこんなコラム(『ニュースの匠』)を書いていたのだ。

〈それにしても小沢氏が代表選出馬を表明した翌朝の新聞各紙の社説見出しはひどかったですねえ。(略)「小沢氏出馬へ あいた口がふさがらない」(朝日新聞)……だって。あいた口がふさがらないのはこっちだよ〉

 朝日新聞広報部は本誌取材に対し、「鳥越さんと論戦をしているとは考えておりません」と答えた。

 一方、鳥越俊太郎氏はこう話す。

「新聞の社説に名前を出されるなんて、本当にこれが初めて。政治家や財界人などの公的な立場の人ではなく、僕のようなメディアの人間を社説で引き合いに出すなんて前代未聞でしょう。本当にびっくりしました。
  僕は、『市民』と名が付けば100%判断が正しいと決めつけるような論調には違和感を感じる。市民だって善良な人もいれば、犯罪を犯す人だっている。『市民は正しい』というテーゼに立ってしまえば、鬼畜米英を信じて行ったあの戦争の是非はどうなるのか。僕は朝日のように市民の力を金科玉条のように信じ切るのは、おかしいと思う」

 裁判員制度や検察審査会の仕組みについては、大いなる見識をもって議論されるべきだろう。その議論に、"個人攻撃"など論外だ。大丈夫なのか? 朝日新聞。



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