巨額「援交狩り」摘発、130万円脅し取る

　巨額「援交狩り」グループが摘発された。山梨県警笛吹署は２５日までに、４０歳の男性を車で連れ回し、約１３０万円を脅し取ったとして、恐喝と逮捕監禁の疑いで１７～１９歳の少年４人と２０歳の女を逮捕した。女が携帯電話のサイトに援助交際＝売春を誘引する書き込みをし、応じた男性と待ち合わせしホテルへ。その後少年４人が登場、男性の車に乗り込んで、各地を移動しながら６時間以上監禁した。男性の“後ろめたさ”に付け込んだ、悪質かつ大胆な手口だった。

　逮捕されたのは、山梨県笛吹市、アルバイトの少年（１７）同、無職少年（１７）甲府市、無職の少年（１８）甲斐市、土木作業員の少年（１９）と自称富山県在住、飲食店員の女（２０）の計５人。

　５人の逮捕容疑は８月９日、携帯電話のサイトを通じて甲府市に住む自営業の男性（４０）を笛吹市内のホテルに呼び出した末、翌１０日にかけて「彼女に何をした」などと因緣をつけ、６時間以上にわたり車内に監禁。消費者金融などで現金を引き出させ、脅し取った疑い。５人は「『援交狩り』は間違いありません」などと供述している。

　女は山梨県に住んでいたことがあったといい、５人は地元の顔見知りとみられる。笛吹署によると、女が掲示板サイトに隠語を使って援助交際を勧誘するような書き込みをし、それにつられて連絡をしてきた男性と９日夜、笛吹市内で待ち合わせ。男性が運転する車に乗って、一緒に同市のホテルに入った。

　女は男性から数万円をもらい、ホテル内で売春。ホテルを出た後、男性に対し、数キロ離れた同市内の駐車場を指定し「そこまで送って」と依頼。１０日未明、男性の車が駐車場に到着すると、待ち伏せていた少年４人が出現。いきなり男性の車に乗り込んできたという。

　少年４人は、男性を後部座席中央に乗せ、２人が男性を挟むように着席。１８歳と１９歳が交代で運転し、笛吹市や甲府市内などを連れ回した。女性は車に乗らなかった。駐車場車内では、男性の胸ぐらをつかむなどして威嚇しつつ、コンビニのＡＴＭで貯金を下ろさせたり、所持金を奪ったりしたという。

　１０日午前、甲府市の消費者金融のＡＴＭで現金を引き出させた後、男性を解放。結局、男性は所持金と貯金計約３０万円、消費者金融から約１００万円、計約１３０万円を脅し取られた。買春という違法行為をしたものの、巨額を奪われた男性はその後、笛吹署に相談。捜査の結果、グループが浮かび上がった。

　脅し取った金は女をのぞく少年４人で分け、遊興費などに使ったという。

　［2010年10月26日9時13分　紙面から］