原爆ドームの前で「ＩＮＯＲＩ〜祈り〜」を歌うクミコ

　歌手のクミコ（５６）が２５日、広島市の原爆ドーム前で、「原爆の子の像」のモデルになった故佐々木禎子さんにささげた反戦歌「ＩＮＯＲＩ〜祈り〜」を歌い上げた。この日は禎子さんの５５回目の命日で、おいで同曲を作詞作曲したシンガー・ソングライターの佐々木祐滋さん（４０）＝東京都中野区＝もそばに寄り添い、共に歌った。

　同曲は今年２月に発売。切ないメロディーが幅広い年代層から支持され、ＵＳＥＮリクエストチャートで４月から今月までに通算４度の１位を獲得している。

　祐滋さんは、２歳で被爆し千羽鶴を折りながら１２歳で亡くなった叔母への思いを同曲に込め、クミコに歌ってほしいと依頼した。クミコはこれまでに広島市の小学校の他、米ニューヨークで今年６月にあった「ＪＡＰＡＮ　ＤＡＹ」でも熱唱した。

　この日のイベントは、原爆犠牲者へ追悼の意をささげ、平和を祈ろうと、祐滋さんらが企画した「ＯＭＯＩＹＡＲＩ　コンサート」。家族連れらが立ち止まって聴き入った。

[ 2010年10月26日付 ]