2010年9月1日 20時38分 更新:9月1日 23時24分
気象庁は1日、今夏(6~8月)の全国の平均気温が平年より1.64度高く、1898(明治31)年の統計開始以来最高だったと発表した。特に8月は平年を2.25度も上回った。暑さは9月も続く見通しで、1日も気象庁が観測する921地点中242地点で9月の観測史上最高気温を記録。157地点で35度以上の猛暑日、789地点で30度以上の真夏日となった。気象庁は「異常気象」として3日に専門家などによる分析検討会を開く。
全国の平均気温は、都市化の影響が少ない国内17地点の平年との差を平均して算出。過去の夏の平均気温の1位は、94年の平年比プラス1.36度だった。地域別でも、北日本と東日本が過去最高で、西日本も4位。8月の平均気温は、沖縄・奄美を除く全地域で平年を2度以上上回り、過去最高だった。
地点別では、全国154カ所の気象台・測候所などのうち、夏の平均気温は55カ所、8月の平均気温は77カ所で過去最高。夏の平均気温が最高だった主な地点は▽札幌市22.0度(平年比プラス2.4度)▽東京都心27.1度(同2.3度)▽名古屋市27.0度(同1.8度)--など。8月の平均気温が最高だった主な地点は▽東京都心29.6度(同2.5度)▽大阪市30.5度(同2.1度)▽福岡市30.3度(同2.7度)--だった。
気象庁は高温の原因として▽偏西風の北への蛇行により、勢力の強い太平洋高気圧に覆われた▽オホーツク海高気圧などの影響がほとんどなかった--を挙げる。特に太平洋高気圧については、気象庁が大気に関する詳細なデータを解析し始めた79年以降で、最も勢力が強かったという。
気象庁によると、今後も太平洋高気圧の勢力が強い状態は続く。少なくとも向こう1週間は各地で猛暑日が観測される可能性が高く、中旬までは真夏日となる日があるという。【飯田和樹】