防災の日:初の「3連動地震」想定で訓練

2010年9月1日 10時15分 更新:9月1日 13時21分

緊急災害対策本部会議であいさつする菅直人首相(中央)。左は仙谷由人官房長官=首相官邸で2010年9月1日午前8時28分、久保玲撮影
緊急災害対策本部会議であいさつする菅直人首相(中央)。左は仙谷由人官房長官=首相官邸で2010年9月1日午前8時28分、久保玲撮影

 「防災の日」の1日、大地震などを想定した訓練が各地であり、計約67万8000人が参加した。全閣僚が参加する政府本部運営訓練は初めて、東海、東南海、南海の3地震が同時に発生する「3連動地震」を想定。政府は30年以上、東海地震の対策を最重視してきたが、専門家の間では東海地震単独より3地震連動で起こる可能性が高いというのが共通認識となっており、この日の訓練は国の地震対策の転換点となる。

 政府の訓練は、午前7時ごろに和歌山県南方沖を震源とするマグニチュード8.7の地震が発生し、静岡、愛知、三重、和歌山県など広範囲で震度7となったとの想定。被災自治体の状況を把握する訓練のほか、警察や消防、自衛隊、海上保安庁の広域応援態勢を確認した。被災地(静岡県)の負傷者を被災地外の医療施設へ自衛隊機で搬送する広域医療搬送訓練もあった。

 03年に政府の中央防災会議の専門委員会がまとめた被害想定によると、3連動地震が午前5時に風速15メートルの条件下で発生した場合、21府県で死者2万5000人に達する見込み。政府は3地震が連動した場合の対策を立てていないが、訓練で明らかになった課題などを踏まえて対策大綱の策定を進める方針で、来年度予算の概算要求に1億5000万円を盛り込んだ。

 内閣府によると、8月30日~9月5日の防災週間中に、47都道府県で158万6000人が防災訓練に参加する予定。【飯田和樹】

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