民主代表選:「一転選挙」厳しい目 景気対策求める声多く

2010年8月31日 21時26分 更新:9月1日 0時5分

支援議員らの前で出馬を表明をする小沢一郎前幹事長(中央)=民主党本部で2010年8月31日午後5時47分、梅田麻衣子撮影
支援議員らの前で出馬を表明をする小沢一郎前幹事長(中央)=民主党本部で2010年8月31日午後5時47分、梅田麻衣子撮影

 民主党代表選は、菅直人首相と小沢一郎前幹事長の全面対決で固まった。有権者はどう受け止めているのだろうか。毎日新聞が全国の20~80代の100人に、選挙戦になったことへの意見を聞いたところ、評価しないは57人。党内の内輪もめよりも景気対策を求めたり、短期間で首相が交代することへの反対意見が多かった。選挙戦を歓迎した43人は「政策論議を戦わせてほしい」と願う。一方、菅首相支持は80人と圧倒。「政治とカネ」問題がつきまとう小沢氏への抵抗感が浮き彫りになった。

 選挙戦回避を願った人のうち、14人が経済対策を優先することを求めた。東京都杉並区の主婦(29)は「予算編成など他にやるべきことがあるのではないか」と話し、福岡県志免町の会社員の女性(42)は「代表選の前に景気対策を」、津市の飲食店経営の男性(36)も「円高で大変な時に党内で争っている場合ではない」とした。

 長崎市の元大学職員の女性(84)は「菅さんはまだ就任3カ月。国の看板がすぐに代わるのは良くない」と短期間での首相交代を懸念し、新潟県上越市の公務員の男性(42)も「首相交代には早い」という意見だ。

 告示直前のドタバタ劇に嫌気がさしたという意見も目立つ。長野県松本市の自営業の男性(37)は「国民無視で自民党政権のころと同じ」と指摘し、堺市の主婦(72)は「内輪もめにしか見えない」と話した。

 一方、代表選を歓迎した43人は、主張の違いが明確になることを評価しているようだ。新潟県長岡市の主婦(57)は「2人の主張がはっきりすれば、党内がどのように分かれているのかがはっきりする」と話し、大阪府高槻市の会社員の男性(41)は「首相となる人の意見を聞く良い機会」と語った。

 「支持率」は、菅首相が圧倒的なリード。理由は、菅首相への積極的支持というよりも、小沢氏の「政治とカネ」問題への対応を疑問視し、「小沢氏よりは」という意見が80人中55人を占めた。

 小沢氏に対し、秋田市の主婦(38)は「政治とカネの問題があり信用できない」、佐賀市の漁業の男性(49)も「政治とカネの問題もあり、立候補すべきではない」と指摘。選挙戦に反対だという神戸市須磨区の飲食店経営の男性(42)は「小沢氏以外の候補者なら選挙でも構わない」と言い切った。福岡市の主婦(31)は「菅さんに指導力は感じないが、権力欲が露骨な小沢さんよりまし」と話した。

 15人にとどまった小沢氏の支持者には、「剛腕」というイメージが強いようだ。東京都世田谷区の主婦(57)は「小沢さんには決断力がある」と言い、札幌市の無職の男性(76)も「菅さんは何もしないのでリーダーシップのある人が首相になった方が良い」と話した。

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