2010年8月30日 17時55分 更新:8月30日 20時35分
日本サッカー協会は30日、日本代表の新監督に、イタリア人のアルベルト・ザッケローニ氏(57)の就任が決まったと発表した。31日に東京都内で、本人が出席して就任会見を行う。日本代表にイタリア人の監督が就任するのは初めて。外国人の監督は2006、07年に務めたイビチャ・オシム氏以来で通算6人目。
ザッケローニ氏は1998~99年シーズンにイタリア1部(セリエA)のACミランの監督としてリーグ制覇。その後はラツィオ、インテル・ミラノなどイタリアの名門を率い、昨季途中からユベントス監督を務めた。
日本協会の大仁邦弥副会長によると、ザッケローニ氏は29日朝に来日し、交渉を担当した原博実・強化担当技術委員長や小倉純二会長らと会談。その後、双方の代理人弁護士が契約内容の細部を詰めて基本合意に達したという。ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で、日本を海外開催のW杯で初めて決勝トーナメントに導いた岡田武史監督(54)が退任を表明後、当初は8月中旬までに新監督を決める方針だったが、候補者に断られるなど交渉が難航し、選定作業が遅れていた。
日本代表は9月2日に合宿を始め、4日に新体制の初戦となる国際親善試合のパラグアイ戦(横浜・日産スタジアム)、7日のグアテマラ戦(大阪・長居陸上競技場)に臨む。ザッケローニ氏は就労ビザの手続きが間に合わないため試合でベンチ入りはせず、原技術委員長が監督代行を務める。新監督の初采配(さいはい)は、10月8日の埼玉スタジアムでの国際親善試合(相手未定)となる。【江連能弘】
【経歴】アルベルト・ザッケローニ イタリア北部エミリア・ロマーニャ州メルドラ出身の57歳。83年にコーチ業をスタートさせ、95年から当時は弱小だったウディネーゼを指揮、イタリア伝統の守備戦術「カテナチオ」(イタリア語で「かんぬき」の意)とは対照的な「3-4-3」の攻撃的布陣に挑戦した。3季目の97~98年シーズンにはイタリア1部リーグ(セリエA)で3位に入り、UEFA杯(現欧州リーグ)の出場権を獲得した。
98年にACミランの監督に就任し、1年目の98~99年シーズンにリーグ優勝。ACミランは3季目の途中で退団し、その後ラツィオ、インテル・ミラノ、大黒将志(現FC東京)が所属したトリノなどを経て、今年1月のシーズン半ばからユベントス監督に就いたが7位に終わった。リーグ優勝はACミラン時代の1回のみで、代表監督の経験はない。
◇日本代表歴代監督◇
二宮 洋一 1951年
竹腰 重丸 51~56年
高橋 英辰 57年
川本 泰三 58年
竹腰 重丸 58、59年
高橋 英辰 60~62年
長沼 健 62~69年
岡野俊一郎 70、71年
長沼 健 72~76年
二宮 寛 76~78年
下村 幸男 79、80年
渡辺 正 80年
川淵 三郎 80、81年
森 孝慈 81~85年
石井 義信 86、87年
横山 謙三 88~91年
オフト 92、93年
ファルカン 94年
加茂 周 94~97年
岡田 武史 97、98年
トルシエ 98~2002年
ジーコ 02~06年
オシム 06、07年
岡田 武史 08~10年
※数字は就任期間