40代の女性たちの生き方を応援するキャンペーンキラキラ40。
10月は「母親との関係」を取り上げました。
40代は「仲良し親子第一世代」とも言われますが、私たちのアンケート調査によって、多くの方が、こどものころに見聞きした親の言動が今も頭から離れないと苦しんでいることが分かりました。そして、私たちがとくに注目したのが、心の中に焼き付いた母親像“インナーマザー”が自分の子育てにも影響していると悩む女性たちの姿でした。 1回目は、“インナーマザー”の正体を明らかにしながら、連鎖はどうやったら断つことができるのか、専門家の方とともに考えました。
“インナーマザー”とは
番組の中で、ゲストの信田さよ子さんはこう語り始めました。 母親が愛情としてやっていることが、子どもにとっては“支配”であることもある。
「本人のため」と言いながら、本当は「希望通りに育ってほしい」という思いで娘を抑圧的に育てた時に、その言葉や行動が娘の心の中に強く残ってしまう。そして娘は、日常生活の折々でそれを思い出したり、自分では望まないのに、かつて母に言われた通りに行動してしまう・・・。
この母親の「残像」を、今回“インナーマザー(インナーペアレント)”と呼ぶことにしました。信田さんによると、とくに「40代女性」は、この“インナーマザー”に悩まされる人が多い世代。母親世代の多くが高度成長期の時代に専業主婦となり、「子育てで自己実現」という考え方が広まる中で生きていたからだと分析しています。
なぜ連鎖してしまうのか
番組では、「母親から受けた影響が、自分の子どもにも及んでいるのではないか」と悩む女性たちの姿を伝えました。
信田さんは「こうした連鎖は、必ずしも起こるわけではないが、決して珍しいことではない」と言います。母親から抑圧的に育てられたと自覚し、「反面教師にしたい」と思っていても、子ども時代の母親のイメージから逃れられず、同じような行動をしてしまうことは少なくない。幼い子どもにとって、母親は「絶対的な存在」であり、無条件に母親の言うことを信じる子どもへの影響は強いということなのです。
連鎖をいかに断ち切るか
信田さんは、ふたつの提案をしました。
母親に自分のつらさを伝える
実際に母親に向かい合い、「子どもの時、あなたの言動で実はこんなつらい思いをしてきた」といった思いを伝えること。それは、「ずっと向き合えなかった母親に、きちんと自己主張し、二人の間に境界線を引けた」という自信につながり、“インナーマザー”と決別して、娘やその下の世代へ影響を及ぼさないようにするのに大変有効だそうです。
しかし、以下のことに留意しましょう。
- なるべく冷静に伝える
- 相手の意識を変えようとせず、「告白した」ことでよしとする
「母親との日々」を書き出す
いわゆる「生育歴」を書き出してみることは、心に整理をつけるために大変有効。ただ、一人だけでこの作業をすると逆に気持がふさいでしまう危険性があるので、「誰かのために」書くことが大切です。信田さんがとくに勧めるのは「夫のために書く」こと。
“インナーマザー”と決別できるだけでなく、夫婦の相互理解にもつながるということです。
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