ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン青森> 記事

偽札事件 偽造の手口明らかに

2010年10月26日

写真

清水、村上両被告が使ったと見られる偽1万円札=1月28日、青森市内の菓子店

 東北各地で今年1月、偽1万円札が相次いで使われた事件で、偽造通貨行使の罪に問われている男2人に対する裁判員裁判の初公判が25日、青森地裁(小川賢司裁判長)であり、2人と共謀した別の被告が検察側の調べに対し、偽札は中国人から150枚を5万円で買い、さらに偽造の完成度を高める方法まで教わったと供述していることが明らかになった。

 起訴内容などによると、埼玉県草加市、自動車販売仲介業清水慶一被告(30)と同県八潮市、無職村上太一被告(29)は1月26、27日、東京都足立区、暴力団組員田村知規被告(39)=偽造通貨行使罪で起訴=と連絡を取りながら、盛岡市のたばこ店や青森市の酒店など3軒でそれぞれ偽1万円1枚を使ったとされる。

 検察側は、冒頭陳述で「金もうけ目的の身勝手な動機で通貨の信用性を害した」と指摘した後、証拠調べで田村被告の供述調書の内容を紹介し、偽1万円札の入手先について、パチンコ店で偶然知り合った「コウ」と名乗る中国人から買ったと述べていることを明らかにした。

 それによると、田村被告は昨年10月ごろ、コウから偽札の購入を持ちかけられ、いったん断ったが、清水被告が「金もうけになる」と翻意を促したことから150枚を5万円で買ったという。

 さらに、本物の1万円札からホログラムと呼ばれる偽造防止用のシールをはがして偽札に張り付け、完成度を高める方法も教わったと供述しているという。

 検察側によると、田村被告の供述通りにホログラムを張りつけた同じ記番号の偽札は、起訴された3件をはじめ、福島県、宮城県、東京都、京都府の6都府県で計113枚見つかっている。一方、ホログラムをはがした本物の1万円札は、現金自動出入機(ATM)を使って他人名義の口座にいったん入金し、改めて機械で引き出す方法で別の1万円札に交換していたという。

 清水、村上両被告は起訴内容について、「間違いありません」と認めた。弁護側は両被告が犯行を反省し、被害者への弁償をすませていると主張し、情状酌量を求めた。

 この日の証人尋問では、弁護側の証人として村上被告の母親が出廷、女性裁判員が「(事件に)負けないように自分を励ましながら頑張ってください」と声をかける場面もあった。

 裁判員裁判は26日に論告求刑公判があり、27日に判決が言い渡される。また、田村被告の裁判員裁判は11月24日から3日間行われる。

PR情報
朝日新聞購読のご案内

ここから広告です

広告終わり

マイタウン地域情報

ここから広告です

広告終わり