2010年10月26日20時57分
ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会でドイツの6試合の結果を予言してすべて的中させ、世界的に有名になったドイツのオーバーハウゼン水族館のタコ「パウル」=ロイター
【ベルリン=松井健】今年のサッカーW杯南アフリカ大会でドイツ代表の全試合と決勝の計8試合の結果を的中させ、「驚異の予言ダコ」として世界の話題になったドイツ西部オーバーハウゼン水族館のタコ「パウル」が死んだ。26日朝に同水族館の職員が確認した。
推定年齢は約3歳。老衰とみられる。W杯後もサッカー欧州選手権予選などの予言を求める依頼が続いていたが、高齢のため隠居状態だった。
パウルは試合前に水槽内で、好物の貝が入った、対戦国の国旗付きの二つの箱のうちどちらを選ぶかで勝者を予言した。2008年サッカー欧州選手権で5試合中4試合の結果を言い当てて注目され、W杯でも予言に臨んだ。ドイツ代表の敗退を予言してファンの怒りを買ったり、優勝を的中させたスペインで英雄扱いされたりして、W杯を大いに盛り上げた。
水族館は今月上旬、朝日新聞の取材に「パウルは元気。高齢だが、予言能力のあるタコだから、寿命がどれだけあるかは謎に包まれている」と話していた。W杯の全的中の「奇跡」が世界中に伝えられた後、スポーツだけでなく「次のロシアの大統領は」といった予言依頼が寄せられていたという。
水族館は、パウルを火葬した後、予言シーンを上映する「記念碑」を館内に建てる計画だという。